【特集】K-POP×バーチャル×サバイバルで魅せる新たなエンタメ『少女リバース』
K/DAやaespaの事例から遂に辿り着く 仮想世界を舞台にしたサバイバル番組『少女リバース』が示した“K-POP×バーチャル文化の到達点”
バーチャル技術によって与えられた「現実世界から解き放たれた自分」と、新たなチャンスの可能性
『少女リバース（RE:VERSE）』における最大の見どころであり、今回の取り組みの重要なポイントは、「現実世界における年齢・名前・容姿が、バーチャルアイドルとしての評価に繋がらない」という点だ。さらに言えば、アバターやキャラクター設定という「別の自分」に変身することによって、参加者がこれまでに自分の中で築き上げてきた性格や「らしさ」からも解き放たれることになる。参加者から様々な文句が噴出するルール説明の場面で、とある一人が荒々しい言葉遣いを注意された際に放った「平気よ。仮想世界だから」という言葉が、なにより本番組の特異性を象徴している。
実際に、参加者のパーソナリティーに目を向けてみると、従来のサバイバル番組ではあり得ないほどにバリエーション豊かなものとなっている。ストリートダンサーとして活躍するキャサリンや、いままで自宅から出たことのないギター好きの少女であるひきこもり（ジブスニ）、ずば抜けた歌唱力を誇る元フィギュアスケーターのセラといった「人間」は素直に理解できるとして、海から陸に出てきた人魚のニモ、深海出身で1歳のタコであるたあこ（ムノ）、果ては地球の征服を目論み、首をあらぬ角度まで捻じ曲げる特技を持つ宇宙人であるモツ番長（スンデネジャン）など、もはや人間の壁すら超えている参加者も珍しくない。もちろん、序盤の時点ではその設定に対して他の参加者やウォッチャーから疑問が投げかけられることも珍しくないが、徐々にそれ自体も番組の世界観の一つとして馴染んでいく。むしろ、そのぶっ飛び具合もバーチャルならではの面白さとして楽しもうという姿勢へと変化していくのだ。
これまで現実世界ではなれなかった「新しい自分」となり、様々な壁を破りながらサバイバルに身を投じる。だからこそ、サバイバル系番組の醍醐味でもある「パフォーマンスによって空気が変わる瞬間」においても、「新たなアイドルとして結実した」という、今までに感じたことのない種類の感動を抱くことがあるのだ。
また、番組の参加者は全員がK-POPアイドルだが、「現実世界でアイドルとしてデビューをして現役で活動していたり、一昔前に脚光を浴びていたガールズグループのメンバー30名」と説明にある通り、今回のサバイバルにはある種の“新たなチャンスや挑戦”としての意味合いがある。現在所属しているグループでは挑戦することができなかったポジションに挑戦したり、固着化されたイメージを脱ぎ払ってファンに新しい魅力を届けたりするなど、新鮮な挑戦の機会としての可能性を提示したのではないか。もちろん、これらの問題に対する根本的な解決にはなっておらず、アバターの自分と現実の自分を比較する/されるという問題を無視することはできない。だが、たとえばアイドル・カルチャーの活発な日本国内で活動するVTuberの多くが「中の人」の容姿・年齢・キャリアとは関係なく人気を集め、『VRChat』で様々なユーザが「もう一人の自分」としての生活を楽しんでいる様子を見ていると、「ここにヒントがあるのでは」と考えることはできるだろう。なにより、「少なくとも仮想空間にいる間は、現実世界のしがらみから解放される」ことが持つ意味は大きい。
最後に、個人的に期待しているのが、この番組をきっかけとしたK-POPアイドルカルチャーとバーチャル・カルチャーとのさらなるクロスオーバーだ。たとえば、韓国、あるいは日本を中心に活躍するVTuberと、番組の参加者が仮想空間上で交流するという流れや、『VRChat』を活用していることを考えれば、3DCGクリエイターとのコラボレーションなどがあっても良いだろう。結果として片方のコミュニティがもう片方のコミュニティに興味を示し、カルチャー全体がさらに拡大していけば理想的だ。ビジネス的なバズワードとして消費されている感のある「VR」や「メタバース」だが、エンタメにおいてその真価はまだまだ発揮されておらず、技術自体も発展途上の真っ只中にある。だからこそ、このような大きな動きが、一つのブレイクスルーのきっかけとなるのではないかと強く期待している。
少女リバースの最新情報は日本公式Twitterやホームページから確認できる。さらに、日本公式の独自企画である“「少女リバース」推し投票”も開催中。ぜひチェックしてほしい。
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【作品概要】
タイトル：『少女リバース（GIRL’S RE:VERSE）』
配信開始日：2023年1月8日（日）夜9時～ABEMAにて独占配信中！
配信ページ：https://abema.tv/video/title/308-91
尺：1話 約60～120分/毎週日曜日 夜9時配信
コピーライト：
画像：ⓒ Kakao Entertainment Corp.
映像：[Character License] http://bit.ly/3hKELEw
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