プロゲーマーからTwitchフォロワー100万人のストリーマーへ SHAKAの持つ屈指のポテンシャル

SHAKA、Twitchフォロワー100万人突破

 リアルタイムで自身のゲームプレイを視聴者へ提供するゲーム配信者は、ここ数年の間に日本でも認知度が大きく向上した。彼らは”ストリーマー”と呼ばれ、多くの場合が定常的なゲーム配信によって収益(広告収入・投げ銭)を獲得している。

 ここ数年はコロナ禍による巣ごもり需要もあり、ストリーマーのゲーム配信を視聴するユーザー、ならびにストリーマー自体の人数も増加。くわえて「ストリーマーがプレイしたゲーム作品が流行する」「知名度の高さを活かしてメディア媒体に露出する」といった影響力も多方面におよんでいる。ストリーマー同士が明確な競合関係にあるわけではないものの、多数が入り乱れる状況は”ストリーマー戦国時代”と言っても差しつかえないだろう。

Professional meets GALLERIA「SHAKA」インタビュー

 そんな同シーンにおいて国内最多フォロワーを抱えているのが、元プロゲーマーの「SHAKA」氏だ。彼のフォロワー総数はなんと100万人以上(12月12日時点)で、国内ストリーマーにおいて随一の人気度を誇る。またTwitchのデータベース集計サイト「SullyGnome」によると、平均視聴者数20,000人、ピーク同時視聴者数78,000人、総ストリーミング38,000時間という驚きの記録をマーク(2021年12月12日~2022年12月12日)しており、名実ともに国内屈指のストリーマーであることがうかがえる。

 そこで本稿では、Twitchフォロワー100万人を達成したSHAKA氏にフォーカス。これまでの活躍や、ストリーマーシーンにおける存在感の強さを振り返る。

『AVA』が人生の転機に 競技シーン18回優勝を成し遂げた福岡発FPSプレイヤー

 すでに自身の口や各所で語られていることだが、SHAKA氏のゲーム遍歴(最初に触れたゲーム)はいきなりFPSタイトル……ではなく、幼少期に遊んだファミコン並びにスーパーファミコンから始まっている。1991年12月生まれということもあり、当時は対戦格闘ゲームの金字塔「ストリートファイター」などをプレイ。PCゲームと出会ったのはMMORPGの『リネージュ』が初めてで、後に友人の誘いを受けてFPSの世界へと入り、同氏の人生は大きな転換点を迎える。

【AVA】DeToNator SHAKA FragMovie "THE WORLD"

 eスポーツという言葉が流行語大賞にノミネートされてから4年が経とうとしているが、SHAKA氏はその10年近く前から『Alliance of Valiant Arms(以下、AVA)』に全身全霊をかけていた。国内トップと名高いクラン「Sleep」に所属すると、『AVA』の公式大会(オフライン)で優勝を経験。約2年の活動を終えると、同クランの休止をもってプロゲーミングチーム「DeToNator」で頭角を表す。「RST 2012 Season3」や「International Championship 2013」など、2011年から2016年にかけて数々の公式大会に出場。10代で『AVA』と邂逅を果たしたSHAKA氏は、同作品の競技シーンに”通算18回優勝”という確かな爪痕を刻んだ。

 なお同氏はDeToNator時代、『AVA』だけでなく、チーム対戦型シューター『Overwatch』の競技シーンにも挑戦。2017年1月に選手活動を引退してからはストリーマー業に専念し、卓越したゲームプレイで大勢の視聴者を魅了している。また、ゲーム配信と並行するかたちでeスポーツイベントやゲーム番組にも出演。一大ムーブメントを呼んだバトルロイヤルゲーム『PUBG: BATTLEGROUNDS』の公式大会にて解説を担当したりと、タイトルの垣根を超えて多彩な活躍を見せている。

元プロ釈迦が魅せた最多キルドン勝に、一同から驚きの声が上がる【PUBG】

 SHAKA氏は2021年9月、約10年間を過ごしたDeToNatorを卒業(同時期にチームメイトのSPYGEA氏も卒業)。以降、現在にいたるまでフリーのストリーマーとしてコミュニティを牽引し、その人気ぶりはなお健在である。

総視聴時間10億分オーバー ゲーム配信を心底楽しむ生粋のストリーマーへ

 本格的なストリーマーとして再スタートを切り、TwitchとYouTubeチャンネルで日々コンテンツ発信に力を尽くすSHAKA氏。カバージャンルも幅広く、2022年は計30タイトル以上を配信上でプレイ。『VALORANT』『RUST』『ARK: Survival Evolved』……などなど、タイトルは異なれど、いずれも視聴者をグッと惹きつけるスタイルが特徴的だ。たとえばFPSの場合、競技シーン経験者を体現するがごとく、洗練された立ち回りを披露。クラフト要素のあるサバイバルゲームでは独自に状況を観察し、ストリーマーサーバーの人物相関に影響を与えることもある。2022年内に入ってからは、ストリーマー界隈で流行った『リーグ・オブ・レジェンド』(以下、LoL)に精力的に取り組み、単身でランクマッチにも挑戦。シングルプレイ・マルチプレイを問わず、”自分の気になったゲームを好きなように遊ぶ”というスタイルを一貫させている。

ゲームストリーマーアワード2021(SHAKA氏は2時間3分あたりから登場)

 こうした日頃のゲーム配信にくわえ、オンラインイベント(VAULT-ROOM Community Cup等)、オフラインイベント(RAGE VALORANT等)にも精力的に参加。2022年2月17日に開催された「GAME STREAMER AWARD 2021」では、同氏は”配信の視聴時間が10億分を超えた”とされ、映えあるストリーマーアワードを受賞している。その際に残した「(配信を)する人も見る人も増えたことが嬉しい。文化として成熟してきた実感があります」というコメントからも分かる通り、ゲームを心底楽しみ、自然体で配信と向き合っている姿勢こそ、同氏が数多の視聴者を惹きつけてやまない魅力の一端だと言えるのではないだろうか。

 本稿を執筆しているいまこの瞬間も、Twitchを覗けば数多くのストリーマーがゲーム配信に勤しんでいる。同シーン内で一目置かれるSHAKA氏の活躍に、今後も注目したい所存だ。

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