『無理ゲーRTAマラソン』、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の部で世界新記録樹立

『無理ゲーRTAマラソン』の『ブレワイ』で世界記録

 2022年12月3日と4日に、配信サイトのTwitch上にて『無理ゲーRTAマラソン〜IMPOSSIBLE RTA MARATHON』が開催された。RTAとはリアルタイムアタックの略で、現実時間をもとに対象ゲームのクリア時間を競う競技を指す。本イベントはそのRTAの祭典であり、Twitchのレイド機能(視聴中の配信が終了した際、別のチャンネルに自動で切り替わる機能)を使用し、複数の配信者が難しいゲームや対象作品の高難度モードに挑戦していく。

 本稿では、本イベントでもとくに特徴的だった『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の部を紹介しよう。

バグ技にアミーボ、特殊なコントローラーはなし 目隠しをしながらジャンプ移動でクリアを目指す

 『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(以下、ブレス オブ ザ ワイルド)は、2017年にNintendo Switch向けに発売されたアクションRPG。「ゼルダの伝説」シリーズ初のオープンワールドを採用しており、物語となる広大なハイラルを自由に攻略することができる。物語を進めたり、各地を探検したり、あるいは序盤からいきなり最後のダンジョンに挑んだりと、プレイの幅の広さが当時話題になった。2017年のThe Game Awardでは、その年最高のゲームに贈られる賞「Game of the Year」を受賞している。

 走者のまりあな氏が挑むのは、そんな本作の「Blindfolded Buglimit BunnyHops no Amiibo」。要約すると、バグ技やアミーボ、特殊なコントローラーを使わず、さらに目を隠した状態でジャンプ移動を軸にゲームクリアを目指すというレギュレーションだ。オープンワールドである本作を目隠しで遊ぶのは無謀のようにも思えるが、氏は今朝の練習で世界記録を叩き出しており、その腕前に期待がかかる。

 アイマスクに加えてマクドナルドの紙袋を被り、目を隠した氏は準備万端。計測が始まると、カメラをロックした状態でくり出せるジャンプ移動を使い、序盤をスムーズに進めていく。ジャンプ移動は距離が固定されているため、使った回数でおおよその距離をつかむこともできる。視覚が制限される今回のレギュレーションでは、かなり重要な要素と言えそうだ。

半裸でハイラルの大地へ

 そのほかにも、アイテムを手に入れるためにしゃがんで動いたり、宙返りして位置を調整したりと、通常のジャンプ以外にもさまざまな手段を使って先を急ぐ。解説のもやしさん氏曰く、上り坂や下り坂ではそれぞれジャンプの距離が変わるため、一度予定が狂うととくに修正しにくい。そのため、ミスをした場合はしっかり現在地の把握や調整をするのが大切になるとのこと。木に登ってしまうと音がせず、操作しているリンクが向いている方向が分からなくなるため、場合によってはセーブデータをロードしてやり直すとも語った。

 序盤から変わらず、軽快なジャンプでハイラル各地を巡るまりあな氏。祠を巡って「リモコンバクダン」を始めとする道具を入手していく。素材を使った料理や小屋の探索など、細かな操作が求められる場面でも、その操作はよどみない。崖を登る場面ではリンクの向きなどの問題から何度かロードとリトライを挟むも、記憶や操作が混乱することもなく、頂上の祠にまでたどり着いた。

 最初の地点である始まりの台地で祠を4つクリアした氏は、滑空できるアイテム・パラセールをハイラル王から入手。その後は始まりの台地を出て、野生動物に警戒しながら左に288回跳んでいき、広大なハイラル平原を地道に進む。

 ハイラル城を目前にした噴水広場にさしかかると、本作のダウンロードコンテンツを購入していると出現する宝箱から「ファントムの鎧」を入手する。ここで、ハイラル平原を移動中に入手していた「ファントムのすねあて」と合わせて装備を一新。これまで半裸だったリンクにようやく上着を着せて、目的地であるハイラル城へと急いでいく。その先にいるガーディアンという敵に苦戦するも、3回目の挑戦で無事に撃破した。

 ハイラル城に入ってからは、武器集めに励むまりあな氏。「王家の両手剣」や「王家の槍」といった強力な武器を集めていき、ついにラスボスのガノン戦へ。ハイラル城でのガノン戦は最大5連続で、そのうちの4回目までは本作のフィールドにある4つの「神獣」のチャレンジをこなすたびに1つずつ減らすことができる。とはいえ、今回の場合は始まりの台地からハイラル城へ直行したので、こなしたチャレンジはゼロ。ガノン戦は最大の5連続になっている。

 初戦となる風のカースガノン戦では、弓矢を使ってヘッドショットを連発。難なく第1形態を終えて第2形態に。王家の槍や「古代兵装・矢」といった、これまで集めてきた武器で一気に押し切った。2戦目の水のカースガノンは、ギリギリで敵の攻撃を避けた直後に連続攻撃をくり出せる「ラッシュ」で、3戦目の炎のカースガノンは「バクダン矢」と通常攻撃によるコンボで悠々と撃破。4戦目のボスであるカースガノンは、すばやい動きに電撃を使った攻撃など、ふつうに遊んでいても苦戦する強敵だが、まりあな氏は目を隠した状態でも見事倒して見せた。

 5戦目の厄災ガノン戦でも集中を切らさず、相手の攻撃ごとに回避方向を切り替え、放たれたビームの反射もこなしていく。終盤のボスだけあって時間こそかかったが無事に撃破。続く最後の戦いにも勝利し、今回のRTAを1時間42分21秒で走り抜けた。まりあな氏いわく、これは本レギュレーションにおける世界新記録ということだ。

 ジャンプ移動の回数やイレギュラーな事態が起こった際の対処法、ヘッドショットを狙う角度、敵の攻撃を避けるタイミングなど、あらゆる動作が正確で、走者が目隠ししていることを忘れるほどの技術と精度だった。今回の配信は本人のページでいつでも視聴できるので、興味があればぜひ直接確かめてほしい。

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