1463億円相当の盗難ビットコインがポップコーン缶から発見? 犯人は20年の禁固刑の有罪判決か

1463億円相当の盗難ビットコインが押収される

 驚くべき額のビットコインが意外な場所から押収された。

 米司法省は、2021年に米ジョージア州に住む32歳のジェームズ・ゾンの自宅から多額のビットコインを押収したことと、ゾンに有罪判決が下されたことを発表した。押収したビットコインは不正に入手され、総額は約50676ビットコインで10億ドル(約1463億円)強相当だ。プレスリリースによると、今回の押収額は2022年初めにTikToker兼ラッパーが関与したとされる盗難事件で押収した36億ドル(約5270億円)のビットコインに次ぐ、史上2番目の金融押収額だ。当局は地下倉庫と浴室のクローゼットにあったポップコーン缶に隠されたシングルボードコンピュータに保管されたビットコインを発見した。

 ビットコインが入手されたのは、違法ドラッグから殺人依頼までを匿名で売買でき、「闇のアマゾン」と呼ばれたダークウェブ上のサイト「シルクロード」からだ。2011年頃から2013年まで運営されていた同サイトは麻薬ディーラーなどの違法業者によって、大量の違法薬物やその他の違法な商品やサービスを多くの購入者に流通させ、そこを通過するすべての資金を洗浄するために利用されていた。

 この事件を担当する国税庁の調査官は、今回の強盗を「洗練されたスキーム」と呼び、ゾンは不正に得たビットコインを隠すために「一連の複雑な取引」を実行したと述べている。司法省によるとゾンは2012年9月に「シルクロード」に9つの偽アカウントを登録した。そして200から2,000ビットコインを口座に入金し(当時の価値は1コインあたり約10〜12ドル)、何度も引き出し要求を送った。ある時は1秒間に5回の同額の引き出しを行い、4回分を余分に受け取った。この取引を140回繰り返すと、最大5万ビットコインを用意していたシルクロードの財源は空になった。

 2017年、ビットコインキャッシュがメインのブロックチェーンから分離して独自の存在となった後、ビットコインを所有する誰もがビットコインキャッシュと呼ばれる別の通貨も同額手に入れた。それに伴ってゾンの取り分は増加。その後、5万枚のビットコインキャッシュを3500枚の通常のビットコインと交換して資産を増やしたという。

 司法省は盗まれたビットコインをどのように突き止めたかについては深く触れていないが、ニュースメディアのプロトスによるとゾンが捕まった一因は2019年に彼が警察にかけた電話だったという。彼は強盗に遭ったと通報し、奪われた物の中に「大量のビットコイン」を挙げた。強盗は多くのものを見逃したが、国税庁の目はごまかせなかった。

 司法省によると、ゾンの行為は電信詐欺行為にあたり、最高で20年の禁固刑になる可能性がある。

(画像=アメリカ合衆国司法省より)

〈Source〉
https://www.theverge.com/2022/11/7/23445125/bitcoin-silk-road-recovered-investigators-billions
https://www.justice.gov/usao-sdny/pr/us-attorney-announces-historic-336-billion-cryptocurrency-seizure-and-conviction

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