世界を変えたとも言われるゲーム機「Atari2600」をレストア 海外YouTuberの卓越した技術に驚嘆

 フィンランドの人気レストア系YouTubeチャンネル「Odd Tinkering」(チャンネル登録者数251万人)が、アメリカのゲームメーカーAtari(アタリ)がかつて開発したゲーム機器「Atari 2600」をレストアする動画を公開した。該当の動画は、2022年10月17日公開の「Restoring Flooded Atari 2600 - Retro Console Restoration ASMR」だ。

Restoring Flooded Atari 2600 - Retro Console Restoration ASMR

 「アタリビデオコンピューターシステム(Atari Video Computer System)」とも呼ばれたAtari2600は、1977年にアタリ社から発売されたカセット交換式ゲーム機器。Atari2600は、当時では珍しい、家庭用テレビに接続してゲームをプレイできるゲーム機器であった。

 Atari2600の優れた点は、ゲームのソフト(カセット)を交換できる点にある。それまでゲーム機器と言えば、ソフトと一体になったゲーム機器が普通であったが、Atari2600には今では当たり前の「カセットを交換することでゲームを変えられるシステム」が導入された。また、こちらも今では当たり前の「サードパーティ制度」、ゲーム機のハードメーカーとは別の会社がゲームソフトを開発・販売するシステムを確立したのも、このAtari2600だ。このような数々の優れたシステムを搭載したAtari2600は、世界を変えたゲーム機器とまで言われている。Odd Tinkeringはこの優れたゲーム機器を手に入れ、レストアに挑戦した。

 最初、Atari2600はディスプレイに接続しても、うまく画面に映らない。そこでAtari2600の中を開いてみると、内部はひどく錆び付いている。だが、ゲーム機器に必要な電力が流れることや、電圧レギュレータは正常であることを確認した。そこで次々にゲーム機を解体していくと、基板が特に汚れていたことが発覚したので、歯ブラシを使い細かく汚れを取っていく。また、40年以上前のゲーム機なだけあって電解コンデンサは劣化していたため、新たに計3つのコンデンサを交換した。

 Atari2600には、ゲーム機本体以外に、4方向に操作できるレバーが備わっている。こちらも劣化しているので、部品を解体し、1つずつ丁寧に汚れを落としていく。

 ゲーム機本体のひび割れた箇所についても、エポキシ樹脂を使った補修材で丁寧に補修する。また、色がはげている部分については新たに塗装しており、Odd Tinkeringの細やかな仕事ぶりに感嘆する。そのほか、必要な箇所を修復していき、Atari2600のレストアは完了した。

 ディスプレイに接続すると、見事Atari2600は起動した。レストア完了後、昔ながらのアーケードゲームをプレイする様子が、動画内で見られた。Odd Tinkeringのレストア動画は、さまざまな機器を使いながら、丁寧な作業で昔ながらの製品を現代に蘇らせており、ワクワクするものばかり。この機会にぜひ、Odd Tinkeringの動画を視聴してみてほしい。

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