PCエンジン35周年 周辺機器の拡張で進化し続けた長寿ゲームハード

PCエンジンといえば多人数プレイという印象をもっている人も多いだろう。実際、PCエンジンではマルチタップを付けることで、最大5人同時プレイが可能だった。『ボンバーマン』や『スーパー桃太郎電鉄』などを、友だちと遊んでいたという方もいるのではなかろうか。
その一方で、PCエンジンには一人用の名作ゲームも数多く存在する。たとえば「天外魔境」シリーズは、PCエンジンのCD-ROM₂から始まった名作RPGだ。同シリーズでは、「ジパング」を舞台とした和風の世界観をベースに壮大な物語が展開される。なかでも『天外魔境II 卍MARU』は、ハード普及台数とほぼ同数という売上を記録した。
また、恋愛シミュレーションゲームの草分け的存在である『ときめきメモリアル』も、初出はPCエンジンだった。近年の「ギャルゲー」は、実はPCエンジンがあったからこそ生まれていたともいえる。
今回解説したように、PCエンジンは当時としては最先端の技術を導入したり、新たなジャンルを開拓したりと、ゲーム業界に大きな影響を与えた存在といえる。後継機種の「PC-FX」の発売を最後に開発はストップしてしまったが、PCエンジンがなければ家庭用ゲームの歴史は変わっていたかもしれない。
なお2022年時点でPCエンジンを遊びたい場合は、全58タイトルが収録された「PCエンジンmini」の購入をおすすめしたい。同機では、先述した『天外魔境II 卍MARU』をはじめとした名作タイトルをプレイすることができる。
また、本格的に遊びたい場合は、SUPER CD-ROM₂の機能を備えた「PCエンジンDuo」の購入がおすすめだ。こちらの機種では、「アーケードカード」という周辺機器が必要なタイトル以外はなんでもプレイできる。PCエンジン35周年を機に、懐かしのゲームをもう一度遊んでみてはいかがだろうか。



























