超大型の“文化祭”に感じた、とてつもないエネルギー 『にじさんじフェス2022』総括レポート
2022年10月1日から2日にかけて幕張メッセにて『にじさんじフェス2022』が開催された。にじさんじ史上最大の、より俯瞰的に見ればVTuber/バーチャルタレントシーンにおいても史上最大規模の催し物だ。
2021年2月は東京ビッグサイト青海展示棟A&Bホールを使用した『にじさんじ Anniversary Festival 2021』として開催を目指したものの、コロナウイルスの拡大によってやむなくオンラインでの開催となっていた。
2021年のフェス・今回のフェスはどちらも“文化祭”をテーマとして掲げていることを踏まえれば、無観客となった昨年のリベンジを果たす意味合いをとても強く感じられた。
/#にじフェス2022_Day1
【 ── 開 場 ── 】
\ついに「にじさんじフェス2022」が開場!
ライバー&スタッフ一同、
幕張メッセで皆様をお待ちしています!▼【必読】参加・注意事項https://t.co/v9PUZBn8o5
▼【必読】会場・注意事項https://t.co/YGjEiGFLT3#FANTASIA_Day2 pic.twitter.com/mpYkm2B9O9
— にじさんじ公式🌈🕒 (@nijisanji_app) October 1, 2022
ファンにとっても未体験なことが目白押しだっただろう。にじさんじを視聴する世代は現在の10代から20代中盤がメインとなっており、フェス開催が近づくにつれて各ライバーの配信などで「フェスみたいな大型企画に参加するのが初めて」というリスナーのコメントを何度となく見つけることができた。
しかもこのコロナ禍の数年のうちにファンになった方ならば、「自分と同じにじさんじファンに初めて出会う」方もいる。にじさんじファンが大挙して押し寄せてくる光景は、ことさら衝撃的な光景に見えたであろう。
いちど見方を逆転してみようと思う。所属ライバーやスタッフにとってはどうであったろうか。
ライバーにとってもそれは同様であったとおもう。こういった大型イベントに「ファン」「参加者」側として足を運んだメンバーは当然多くいるであろうが、「出演者」側となるとめっきり少なくなる。
にじさんじ史上でみても、音楽ライブとして行われたぴあアリーナMMでの観客数1万人前後が最大規模だ。それも数限られたライバー・スタッフでステージ上でパフォーマンスし、現地で稼働するのみであった。
結果的にこのフェスを通じて、にじさんじに所属する100名以上のライバーが何らかの企画に参加し、現地開催となった企画にも多くのメンバーが参加することになった。
現地でパフォーマンスをする面々は幕張メッセへと集合し、普段なかなか会うことのできない同僚らと一堂に会する場面があったというだけでも貴重な一瞬なのかもしれない。
なにより現地でパフォーマンスしたライバーの多くが、「こんなに多くのお客さんを目の前にしてエンタメができるのか」という衝撃を食らったはずだ。これはより大きな経験・体験となって今後に活かされるキッカケにもなりえるし、ライバーだけではなくにじさんじに関わるスタッフにも同様のことがいえるであろう。
筆者は『にじさんじ Anniversary Festival 2021』を始めとして、ここ数年でのにじさんじ主体のライブイベントには何度となく足を運ばせてもらいつつ、仕事・プライベートに関わらず音楽やアニメ関係のライブ・イベントにも足を運んできた。
今年足を運んだ幕張メッセでの開催イベントといえば、『Fate/Grand Order Fes. 2022 ~7th Anniversary~』と『SUMMERSONIC 2022』の2つを思い出す。どのイベントもシーン・ジャンルは別々であり、それまでに歩んできたヒストリーはもとより、ファン・客層はまるで別。実際使用した会場ホールも「FGO」では4~8ホール、「サマソニ」では1~8ホール、「にじさんじ」は1~6ホールと、使い方もまるで違っている。
それでもなお感じるのは、『にじさんじフェス2022』は「FGOフェス」や「SUMMER SONIC」といった各シーン・ジャンルを代表するイベントと比しても、遜色のない熱量と盛り上がりを見せていたという点だ。
「にじさんじ」はここ数年にわたるネットシーンの盛り上がりのなかで、飛ぶ鳥を落とす勢いをもったバーチャルライバーグループとなった。その言葉を一切希釈することなく、ダイレクトに食らうことになった2日間であった。
それも、海外でもあまり類を見ない日本特有のドメスティックなカルチャーが、とんでもない勢いで拡大している最大瞬間風速を体感できた。ある種の幸運だと感じても良いのかもしれない。