8人が歌い踊り、あらゆる「持ち色」を出し尽くしたーーにじさんじ『FANTASIA』振替公演初日レポート
この判断を促したというと大事が過ぎるかもしれないが、彼女らのダンスを捉える映像表現もまた、この日のライブに大きく寄与していたことを指摘すべきであろう。
筆者は7月末に開催された『Kuzuha&Kanae&ROF-MAO Three-Man LIVE「Aim Higher」』に足を運び、ライブレポを執筆している。基本的にはその時とほとんど同じく、「3Dボディを立体的に捉える」カメラアングルが随所に見られた。
にじさんじ 葛葉、叶、ROF-MAOによる、強烈に「ポップ」な一夜 『Aim Higher』に感じたアーティストとしての成長
2022年7月27日、バーチャルライバーグループ・にじさんじが主催する『Kuzuha & Kanae & ROF…
これにくわえ、体全体の輪郭線にライトが当たっているかのような表現があることでグッとリアリティ(≒そこにいる存在感)が強まる。これは昨年のARライブよりもだいぶ精度が高まっていたようにみえた。
暗転したステージのうえであっても、頭頂部、両肩の上、腕部分などに光沢が出て「テカり」が出ているように表現されていたり、左から/右からだけでなく、手前から/奥から、下から/上からといった360度から照らされる照明・ライトアップに合わせて3Dボディに生まれた光影・光沢の表現が、よりリアリティをもっていたことに驚いた。
この日、ライブステージに初めて参加したメンバーが3名いた。立ち止まるよりも跳び回るような、そんなポップな印象をもつのは当然だろうか。
ライブステージや音楽といった視点からすると8人の中でもっとも縁遠そうなイメージはあるものの、「チクタク・Magica る・アイドルタイム!」では自身の配信活動に絡めた映像から「FANTASIA」公演へと繋がり、原作「アイドルタイムプリパラ」のように「変身」することができた夜見れな。
8人のなかで一番身長が高く、一番の後輩でありながら、艶やかな声色とキビキビとしたダンスをみせた白雪巴。静的・落ち着き・アンニュイといったイメージを裏切るような躍動的なステージングはインパクト抜群で、この日のライブのMVPとして名前を挙げるファンもいるかもしれない。
もう一人、ライブ当日声に不調をきたしてしまいソロ曲を諦めてしまったものの、その悔しさをダンスや身動きの一つひとつにぶつけるように、「簡単なサイドステップすら跳んでいる」ようなキレッキレな動きをみせた相羽ういは。三者三様の魅力が伝わったとおもう。
FANTASIAにお越しくださりありがとうございました✨いかがでしたでしょうか…!?楽しんでいただけましたか…!
私のソロ曲は、リハの最後の最後まで粘ったのですが喉の調子が悪く歌のクオリティの観点から見送ることにしたのです…本当にずっと薬飲んだり蜂蜜舐めたり頑張ってみたのですがごめんなさい
— 相羽 ういは 🍮💎(あいばういは)@にじさんじ (@AibaUiha) September 30, 2022
本当は小倉唯さんの『ハイタッチ☆メモリー』を歌って踊る予定でした
いつかリベンジさせてください叶わなかったけどメンバーが代わりに歌おうかって提案してくれたり夜見さんが一緒に泣いてくれたりこんなに優しいみんなと一緒に頑張ってこれて嬉しかったです
楽しみにしてくれたのにごめんなさい
— 相羽 ういは 🍮💎(あいばういは)@にじさんじ (@AibaUiha) September 30, 2022
アンコールで披露された「Hurrah!!」は、Rain Dropsなどでも作詞作曲を担当していたじんによるロックソングである。まさにこの日のアップテンポなライブにピッタリであった。
この日の最後を締める「Wonder NeverLand」には〈バラバラのパレードは続く〉という歌詞がある。これは、国内外に100名以上いるにじさんじのライバーたちのバラバラさ・複雑さ・個性の違いをうまく捉えたフレーズだ。
ではそのなかでも、選りすぐりの「持ち色」を持った8人が、息を合わせて同じ方向に動きだして猛練習を積んでパフォーマンスを披露したならば? その威力を存分に食らわせてもらった一夜だった。
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