約7割は「自動運転車を信用しない」　進化するテクノロジーに対する人間の心理

　100年に1度の大変革期にあるといわれる自動車。EV化もさることながら、AI（人工知能）の自動運転によるところが大きい。

　アメリカでは、Ford、Tesla、GMなどの自動車メーカーに加えて、GoogleやAppleなどテクノロジー企業も自動運転車の研究開発に余念がなく、自動車とテクノロジーの業界の垣根を超えて我先にと参入しており、新時代のゴールドラッシュの様相だ。

　現在、自動運転レベルは0～5の段階に分けられており、実用化しているのはレベル 2（部分運転自動化）とレベル 3（条件付運転自動化）が中心ではあるが、レベル 5（完全運転自動化）が普及するのも時間の問題だと考えられている。

　しかし、自動運転を牽引するアメリカでも、一般市民の認識が追いついていない実態が明らかになった。

　アメリカ自動車協会（AAA）の調査では、消費者の18%が「自動運転車に関心がある」と回答したのに対して、「車両安全システムの改善に関心がある」と回答したのは77%だった。また、米メディアSlashGearの調査では、67.35%が「自動運転車を信用しない」と回答した。

　過半数の人が不安を感じている背景には、自動運転の技術がまだ初期段階にあることが挙げられるだろう。

　「完全運転自動化」が実現すれば、交通事故は激減すると予想されている。それでも信用を勝ち取れていない原因は、自分に馴染みがないものを疑ったり不安に思ったりする人間の心理が働いている可能性がある。

　飛行機もその一例だ。毎年、世界で約135万人が路上の事故で亡くなっていることに対し、2020年に空の事故で命を落とした人は137人。データを見れば、圧倒的に車より飛行機が安全だが、飛行機のほうが怖いという人は少なくない。

　一つ言えること。それは、人の意識の変化よりも圧倒的に速いスピードでテクノロジーが進化しているということだろう。

（source）
https://newsroom.aaa.com/2022/05/consumer-skepticism-toward-active-driving-features-justified/
https://www.slashgear.com/989442/would-you-trust-a-self-driving-car-if-you-owned-one-right-now-heres-what-car-fans-say-exclusive-survey/
https://karnaslaw.com/plane-accidents-vs-car-accidents-statistics/