世界中で「青い物」を食べる動画は、なぜ大流行しているのか

 皆さんは“青い食べ物”にどのようなイメージをお持ちだろうか。自然界に存在しない食物の色であることから、食欲減退や危機感を感じる人もいるはずだ。しかし、2年ほど前から、世界中のYouTuberの間で「青い食べ物」だけを食べる企画が、人気コンテンツとなっている。

世界中で大流行

 代表的な“青い食べ物”動画をご紹介しよう。

MOST POPULAR FOOD FOR ASMR *BLUE FOOD* SHEET JELLY, BUTTERFLY TEA, ROPE JELLY, ROCK CANDY MUKBANG 먹방

 登録者809万人の人気海外YouTuber・HunniBeeが、2020年3月に“青い食べ物”だけを食べるASMR動画を投稿。現在1078万再生を突破している。彼女はこれまで、ヘアブラシ型やスニーカー型のケーキなど、様々な形状のスイーツを食してきた。その一貫として、色に縛りを設けた食べ物動画を次々に投稿。その中の一つが、“青い食べ物”だった。

ASMR BLUE DESSERTS *スノーボールズマシュマロ、ニックルニップワックスボトル、宝石ゼリー JUICY DROP, NIK-L-NIP WAX BOTTLE EATING SOUNDS

 そして、登録者1370万人の韓国YouTuber・Hongyu。彼女が2020年7月に投稿した“青い食べ物”動画は、現在1億回再生という脅威の数字をも叩き出している。ゼリーやグミ、マシュマロ、琥珀糖などのお菓子を中心に、これでもかという程、青い食べ物を机いっぱいに並べたサムネイルは圧巻。韓国語の造語で“モッパン”と呼ばれる“食べ尽くす”大食い企画に、お菓子の歯ごたえが響き渡るASMRの要素が組み合わされている。彼女もまた様々な色の食べ物をASMRでモッパンする動画を投稿しているが、この“青い食べ物”企画は、特に再生数を稼いでいる。

 そのほかにも、YouTube検索で「blue food」と入力すると、多くの海外YouTuberがこの企画に挑戦していることが分かる。

ブームは日本でも

 ここ日本でも、2020年4月に原宿系YouTuber・しなこが、同じく青色の食べ物縛りでASMRを行なっており、現在の登録者63万人に対して、1155万再生を記録している。

 YouTuberの中には、さらに企画性を加味して、期間を設けた上、1日中「青い食べ物しか食べれない」といった過酷な動画も多く存在し、やはり人気を博している。

 また、2年前だけではなく、現在もそのムーブメントは続いており、今月13日にはヒカキンや水溜りボンドも“青い食べ物”動画を投稿。水溜りボンドのチャンネルには、前述のしなこがコラボ相手として出演している。

 なぜ、こんなにも世界中の人々が青い食べ物に熱中してしまうのかは、コメント欄を覗いても判明しなかった。「なぜか見てしまう」これに尽きるだろう。しかし、冒頭でも述べたように自然界の食物には無い色だからこそ、真っ青な食べ物そのものに興味を示して、クリックしてしまう可能性は高いと言える。「珍しいものを食べている」、ある種の怖いもの見たさでもあるかもしれない。

 また、青色と言えば、歴史上でもピカソやフェルメールなど、様々な芸術家が魅了されたように、私たち人間が特に魅惑的に惹かれる色であることも関係しているかもしれない。

 この夏は、ぜひ「青色 食べ物」で検索して、視覚から来る涼しい夏を感じてほしいと思う。

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