読書感想文に苦しむ子どもたちに薦めたい ピース・又吉のYouTubeが伝える“読書の自由さ”

楽しい解釈をするために

 万博先生の解釈はとても楽しいし、意外性のある解釈には引き込まれる。

 おそらく、リアクション動画に登場する講師や学生を含めて視聴者の多くが、万博先生のように文章を楽しめたらと感じるだろう。

 そのためには、圧倒的な読書量と常日頃からの解釈訓練(と書くと仰々しくなってしまうが……)が欠かせない。だが、読書好きでも、どんな本を読めば万博先生並の解釈力と読書愛を得られるのかわからない人は多いだろう。

 そういう人には、「どんな本を読めばいいか悩んでいる方々に又吉が自信を持って提言! 又吉×ヨシタケシンスケ共著『その本は』がオススメ!【夜の公園#32】」を見るといい。

どんな本を読めばいいか悩んでいる方々に又吉が自信を持って提言!又吉×ヨシタケシンスケ共著『その本は』がオススメ!【夜の公園#32】

 「本にまつわる本」と説明する『その本は』(ポプラ社)は、読書ワールドに入りたい人に自信をもっておすすめできるそうだ。「インスタントフィクション」シリーズで文章や読書への興味を掻き立て、しっかりと受け皿まで用意する……。ピース又吉直樹【渦】公式チャンネルの読者への包括的なアプローチは見事だ。

 「インスタントフィクション」シリーズは、想像も解釈も自由であることを教えてくれる。また、読書に対する「小難しい印象」も取っ払ってくれると考えている。

 昨今は、「読書が趣味」というと「インテリアピールですか」などと言われることがあると聞いた。そういうことを言うのは、かつての筆者のように「正しい答え」を求める読書方法しか知らないのかもしれない。

 読書は楽しいし、文章は自由だ。思ったことを書いていいし、読み手はいろんな解釈をしていい。ニュースのように事実をありのままに伝える場面で自由な解釈をされると困ってしまうが、少なくともインスタントフィクションのような場では妄想を爆発させよう。これくらいの気持ちでいられるなら、読書感想文だって楽しかったはずだ。

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