「モンハン」最新作から“RPGの金字塔”リメイクまで 2025年注目のゲームタイトル10選
賞レースが大盛況のうちに閉幕し、ついにやってきた2025年。今年もゲーム業界ではさまざまな話題作が発売予定となっている。本稿ではそのラインアップから、とりわけ注目度の高い10タイトルを厳選して紹介する。このなかから2025年を代表する一作は生まれるだろうか。
“シリーズ最高傑作”の期待かかる『モンスターハンターワイルズ』
数々の注目タイトルのなかで最初に取り上げるべきは、2025年2月28日に発売を予定している「モンスターハンター」シリーズ最新作『モンスターハンターワイルズ』だろう。2023年12月、『The Game Awards 2023』の開催にあわせて発表となった同タイトルは、当初から「最高傑作と名高い『モンスターハンターワールド』に代わる一作」として、界隈の注目を集めた。その後も新情報の公開や、『東京ゲームショウ2024』における試遊台の設置、オープンベータテストの開催と、事あるごとに話題を呼んできた経緯がある。リリースが間近に迫り、コミュニティの期待感も順調に高まりつつある現状だ。なかには、発売日にあわせ、有給休暇の取得を予定している社会人プレイヤーもいるのではないか。まさに2025年屈指の注目作と呼ぶにふさわしいタイトルが『モンスターハンターワイルズ』だろう。
対応プラットフォームは、PlayStation 5、Xbox Series X|S、PC(Steam)。価格は、パッケージ通常版が9,990円、ダウンロード通常版が9,900円となっている(ともに税込)。ディレクターを務める徳田優也氏は、2024年12月19日に公開されたコミュニティアップデートに関連する動画のなかで、「発売前にもう一度、(主に前回遊べなかった層へのリーチや、追加の挙動確認を目的にした)オープンベータテストの実施を検討している」と明らかにしている。
「不具合なく発売できるか」がポイントの『グランド・セフト・オートVI』
2番手として取り上げるのは、米・ロックスター・ゲームスが開発/発売を手掛けるオープンワールドアクション『グランド・セフト・オートVI』。同タイトルもまた、前項で紹介した『モンスターハンターワイルズ』に負けず劣らずの高い注目度を持つ。発売予定時期は2025年秋となっており、ナンバリングとしては前作『グランド・セフト・オートV』(2013年9月)以来、約12年ぶりの最新作ということになる。「(『Minecraft』に次ぎ)世界で2番目に多くの本数を売り上げたゲームソフト」の記録を持つ前作に、どのような進化が盛り込まれるのか。特に自由度の高い作品を好んでいる層に大きな期待を寄せられているのが『グランド・セフト・オートVI』である。
対応プラットフォームは、PlayStationとXbox(対象となるハードは明かされていない)で、価格は現時点で未定。複雑な開発をともなうジャンルのタイトルであるだけに、予定どおり、かつ致命的な不具合なく発売され、正当な評価が受けられることを期待するばかりだ。
前作から6年。シリーズ第2作となる『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』が登場
一方、国産タイトルのなかで類似する層に期待されているのが、コジマプロダクション開発、ソニーインタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)発売の『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』である。2019年にPlayStation 4で発売され、高評価を獲得した前作『DEATH STRANDING』から約6年ぶりのシリーズ最新作となる同タイトルには、人類を絶望から救うため、仲間とともに新たな旅を始めるサムの姿が描かれるという。言わずもがなだが、脚本/製作/監督には、「メタルギア」シリーズなどで知られるゲームクリエイターの小島秀夫氏がクレジットされている。前作が高評価を獲得したこと、引き続き中心メンバーである同氏が携わっていることなどが影響し、大きな期待を寄せられているのが『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』だ。
対応プラットフォームはPlayStation 5のみで、価格は現時点で未定。発売時期は2025年内とされている。なお、前作『DEATH STRANDING』は、PlayStation 4でのローンチから約8か月後の2020年7月に、Steamへと移植されている。『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』もゆくゆくはPCでも遊べるようになる可能性があるだろう。ファンにとっては、その日がいつになるのかも気になるところなのではないだろうか。
前作PC版の好調がヒットの布石となるか。『Ghost of Yōtei』
他方、「SIEによるファーストパーティタイトル」「人気アクションアドベンチャーの続編」といった点で『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』と共通項を抱える、別の注目タイトルも存在する。それが、2025年内にPlayStation 5で発売を予定している『Ghost of Yōtei』だ。前作『Ghost of Tsushima』は、2020年にPlayStation 4で発売され、好評を博した。リリースから約4年後の2024年5月には、満を持してSteamへと移植。ユーザーとの接点が増えたことで、さらに多くのファンを獲得している現状がある。
『Ghost of Yōtei』もまた前作同様、開発をSucker Punch Productionsが、発売をSIEが担当している。同タイトルでは、果てのない草原や雪深い連山が広がる羊蹄山の周辺を舞台に、女武芸者の新主人公「篤(Atsu)」と旅を描くという。
対応プラットフォームはPlayStation 5のみで、価格は現時点で未定。こちらもまた、ファーストパーティであることから、発売前にもかかわらず、早期のPCへの移植が切望されているタイトルのひとつである。
『ポケットモンスターX・Y』の世界とリンクする、スピンオフシリーズの続編『Pokémon Legends Z-A』
Nintendo Switchでは、「ポケットモンスター」のスピンオフシリーズから待望の新作が登場する。『Pokémon Legends Z-A』は、2022年発売の『Pokémon LEGENDS アルセウス』に続く、オープンワールドベースのアクションRPGだ。今回は『ポケットモンスターX・Y』に登場したカロス地方のミアレシティを舞台に、オリジナルの物語が展開されていくという。
2024年には、ゲーム性に類似する部分のある『パルワールド』がリリースされ、好評を博したことで、あらためて界隈の視線が集まることとなった『Pokémon LEGENDS アルセウス』。待望の続編にどのような要素が盛り込まれるのかに注目が集まっている現状だ。
『Pokémon Legends Z-A』は2025年内に発売予定。対応プラットフォームはNintendo Switchで、価格は現時点で未定となっている。Nintendo Switchをめぐっては、次世代機の発売時期が話題となることも多い。『Pokémon Legends Z-A』は、そのローンチタイトルとなる可能性もある。
炎上騒動から汚名返上の期待かかる『アサシン クリード シャドウズ』
いわゆる“洋ゲー”のカテゴリからはもう1本。『アサシン クリード シャドウズ』は、ユービーアイソフトが開発/発売を手掛けるオープンワールドアクションRPGだ。2022年9月、日本を舞台にしたシリーズの新作『コードネーム Red』として、その存在が明らかとなった同タイトルは、当初から界隈の注目を集め、一躍、期待の新作のひとつに数えられるまでとなった。
一方で、業界動向にアンテナを張っている方にとっては、昨年5月の炎上が記憶に新しいかもしれない。この騒動では、上述のタイミングで公開となったトレーラーをきっかけに、主人公のパーソナリティや、時代考証、盛り込まれた描写、著作物の無断使用などがやり玉に上がった。一連の動向を受け、制作側は当初2024年11月15日に予定されていた発売日を、2025年2月14日へと延期。はたして数々の問題は解消されているのか。そうした意味でも注目されているのが、『アサシン クリード シャドウズ』である。
対応プラットフォームは、PlayStation 5、Xbox Series X|S、PC(Steam、Epic Games Store、Ubisoft Store、Mac App Store)、iPad。このほか、Ubisoft+やAmazon Lunaといったサービスにも対応する。価格は9,790円(税込)となっている。
『Stellar Blade』『黒神話:悟空』に続くジャンルのブレイク候補『The First Berserker: Khazan』
『Stellar Blade』や『黒神話:悟空』など、中韓発のアクションRPGの躍進が目立った2024年。今年の同ジャンルにおいて、ネクストブレイクと目されているのが『The First Berserker: Khazan』だ。発売元のNEXONが手掛けたMORPG「アラド戦記」をベースに、アニメーションタッチのグラフィックとアクション性の高さを特徴とする同タイトル。プレイヤーは、死を克服したペル・ロス帝国の大将軍カザンとなり、自身を没落させた事件を暴くための、復讐の冒険に旅立っていく。ポスト『Stellar Blade』、ポスト『黒神話:悟空』の登場が望まれる2025年。『The First Berserker: Khazan』は、その筆頭候補であると言えるのではないだろうか。
『The First Berserker: Khazan』は、2025年3月28日発売予定。対応プラットフォームはPlayStation 5/PlayStation 4、Xbox Series X|S/Xbox One、PC(Steam、Microsoft Store)で、価格は8,580円(税込)となっている。はたして同タイトルは、界隈の期待に応えることができるだろうか。発売後の動向に注目だ。
『ユミアのアトリエ』は、シリーズの地位を盤石なものとできるか
ここ最近、注目度が高まっているJRPGのジャンルからは、「アトリエ」シリーズの最新作『ユミアのアトリエ ~追憶の錬金術士と幻創の地~』をピックアップする。舞台となっているのは、とある大陸に存在し、かつて錬金術によって繁栄を極めたアラディス帝国。同国は、突然発生した謎の天変地異によって滅びの時を迎えたという。3年前、事故によって母親を亡くした主人公のユミア・リースフェルトは、自らが錬金術師の家系であると知り、帝国をめぐる謎へと迫っていく。同タイトルには、失われし歴史を追うユミアの旅が描かれていく。
「アトリエ」シリーズは、1997年にPlayStationで発売となった『マリーのアトリエ 〜ザールブルグの錬金術士〜』を初作とする。直近にリリースされた『ライザのアトリエ』3作品は、全世界の累計で200万という出荷本数を記録(2023年6月時点)。四半世紀を超えるシリーズの歴史のなかで、最大のヒットとなった。『ユミアのアトリエ ~追憶の錬金術士と幻創の地~』には、それに続くシリーズ最新作として、大きな期待が寄せられている。
『ユミアのアトリエ ~追憶の錬金術士と幻創の地~』は2025年3月21日発売予定。対応プラットフォームは、PlayStation 5/PlayStation 4、Nintendo Switch、Xbox Series X|S/Xbox One、PC(Steam)となっている。はたして同タイトルは、シリーズに吹く追い風を生かすことができるだろうか。
第3作に引き続き、第1作・第2作もHD-2D化。『ドラゴンクエストI&II』
昨今盛り上がるリメイク/リマスターのカテゴリからも、これ以上ない注目作が登場する。その筆頭として紹介すべきは、RPGの金字塔「ドラゴンクエスト」シリーズの第1作と第2作をHD-2Dで復刻する『ドラゴンクエストI&II』だろう。業界動向を追っている人にとっては、昨年11月に発売となったシリーズ第3作のリメイク『HD-2D版 ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』に集まった反響も記憶に新しいはず。同タイトルもまた、そうしたシリーズ作品の復刻の文脈上にあるものである。
現時点で詳細は明らかとなっていないが、『HD-2D版 ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』の出来を見るかぎり、こちらにも同様に期待が持てるのではないか。第1作・第2作がフルリメイクされるのは、1993年にスーパーファミコンで発売となった『ドラゴンクエストI・II』以来、実に32年ぶり。このタイミングで新たにそれぞれをプレイする層も少なくないであろうことを考えると、文化的にも非常に意義が大きい復刻になると言える。
『ドラゴンクエストI&II』は、2025年発売予定。対応プラットフォームは、PlayStation 5、Nintendo Switch、Xbox Series X|S、PC(Steam、Microsoft Store)となっている。
また、このほか、2025年には、『テイルズ オブ グレイセス エフ リマスター』(2025年1月16日)や『幻想水滸伝 I&II HDリマスター 門の紋章戦争 / デュナン統一戦争』(2025年3月6日)『空の軌跡 the 1st』(2025年内)などの復刻作品も発売される予定となっている。JRPGの復刻トレンドは、今年も続きそうだ。
オンライン協力プレイ実装の『リトルナイトメア3』。開発元の変更は吉と出るか、凶と出るか
インディーにルーツを持つタイトルからは、アクションアドベンチャーの『リトルナイトメア3』を推す。2017年発売の初作『リトルナイトメア』、2021年発売の第2作『リトルナイトメア2』に続く同タイトルには、シリーズではじめてオンライン協力プレイの仕組みが導入されるという。舞台となるのは、リトルナイトメアらしい美しくも恐ろしい世界。主人公であるロゥとアーロンの2人は、「ノーウェア」から抜け出す方法を探す旅に出る。プレイヤーは第三者の視点から、彼らの冒険を見つめていく。
2023年8月、『gamescom 2023』の場でその存在が明らかとなった『リトルナイトメア3』。当初は2024年内の発売を目指していたが、さらなるクオリティアップのために、その時期を2025年へと延期した。開発を担当しているのは、イギリスのSupermassive Games。第1作・第2作を手掛けたスウェーデンのTarsier Studiosは今回、開発から離れている。そのような変化がクオリティにどのような影響をもたらすのか。ファンの多いシリーズであるだけに、期待を裏切るような結果とはなってほしくないところだ。
対応プラットフォームは、PlayStation 5/PlayStation 4、Nintendo Switch、Xbox Series X|S/Xbox One、PC(Steam)で、価格は現時点で未定。本稿で紹介した他のタイトルたちとは、少し毛色の異なる同タイトル。傍流のひとつとして、その存在感を示すことを願っている。
Yostar最新作『ステラソラ』が持つプリミティブな体験 モバイルゲームは“両立”が重視される時代に
Yostarが12月18日に発表した最新作『ステラソラ』について、発表とあわせて公開されたトレーラーから全体像を予想・考察する。