『今日好き。皐月編』3話ーーゆいなが失恋した相手は? 「恋愛対象」に見られない苦しさ

『今日好き。皐月編』3話

ゆいな、りんのすけに想いを伝えるも“相談キャラ”が痛手に?

 なんとも難しい人間関係を見た気がした。旅の2日目夕方までを収めた第3話だが、今回はゆいなが序盤からりんのすけ(春山凜之介)にアプローチ。午前中のオリジナルトートバック作りで共同作業に誘ったり、午後のグループ別行動でも満を持しての2ショットでアタックしたり。第一印象でこそ、りんのすけととおま(廣居永真)の男前2人の間で幸せそうに頭を悩ませていたゆいな。第2話で触れた通り、周囲に気を配りすぎる優しさのあまり、ここまで大きな動きを見せられずにいたが、次第にりんのすけにだけ想いを固めたようである。

 だが、彼との2ショットでは気持ちのすれ違いしか生まれず。前半の話題は、ゆいなとはやと(兼村隼人)の気になる関係性について。意外にも、2日目午後に入ってはやととの関係性は進展を見せておらず。その理由は「はや(はやと)はね、違う。(好意を寄せられるのは)うれしいねんけど……“友だち”って感じが強くて」「一回、“友だち”と思ってしまったから(恋愛対象としては)ちゃうなって」と、ゆいなにとってはやととの関係性は“お友だちルート”の一途を辿っているからだ。

 その後、りんのすけを好きになった理由として、話のテンポが合い、かつ会話が途切れないとうれしそうに語っていた。が、ゆいな自身ははやとにもかつて同じ内容を伝えていたと気づいているのだろうか。似たようなコミュニケーションを取っていても、友だち、あるいは気になる相手という意識の違いひとつで、ここまで印象が変わってくるなんて……。理論ではなく、感覚で成立する恋愛とは、本当に説明が付けられない。

 2ショット後半の内容は、りんのすけの「エイミーとあき(あきは/大西陽羽)の間で決めようと思っている」というもの。実は前述の通り、ゆいなははやとを友だちとしてしか見ていない。その上で、本当に好きなのはりんのすけだと強調したのだ。しかしながら、彼自身は「(エイミーとあきはの)ほかを考えている暇がない」とさらりとかわすと、話題を彼女らに関する相談へと変えてしまう。

 これはなぜか。ゆいなが相談しやすい人柄だから。継続メンバーとして、ここまで周囲のフォローをしてきたから。ただそれだけだ。はやとが“友だちキャラ”だとしたら、ゆいなは“相談キャラ”なのである。本当に、なんて損な役回りなのだろう。

 ゆいなは「好きって言ってるのにさ、相談すんなし!」と茶化すことで、自身が傷ついていることをそれとなく伝え、りんのすけの想いに抵抗をしていたが、それでも彼との今後の可能性がゼロであることに変わりはない。またしても、彼女が笑顔で旅を終える姿を見られないのか(余談だが、意中の相手の視線が別の女子にしか向いていないという構造が、これまで数多の恋愛ソングを歌ってきたaikoと重なって仕方がなかった。ゆいなもaikoも関西弁だし)。

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