渋谷ハルの「TSM FTX」加入から考える 世界のゲーム配信における日本市場の重要性
注目を集めているのはeスポーツチームの活躍だけではない。「VCT」の国内での同時接続数は過去最大の41万人を記録。『Apex Legends』に話を戻しても、先月末に開催された世界大会『Apex Legends Global Series Year2 Split2 Playoffs』では、国内の多くのゲーム実況者やストリーマー・VTuberがミラー配信で観戦。数千、数万人の視聴者とともに勝負の行く末を見守った。
配信プラットフォーム・Twitchのチャンネル数や視聴者数を追跡するサイト「TwitchTracker」によれば、英語圏でのチャンネル数や視聴者数が成熟しきり横ばいになりつつあるのに対して、ここ最近ゲーム実況者がチャンネルを開設する流れのあった日本語圏での数字はどちらも右肩上がりと好調な推移だ。
「TwitchTracker」日本語版:https://twitchtracker.com/languages/Japanese
「TwitchTracker」英語版:https://twitchtracker.com/languages/English
5月7、8日に東京ガーデンシアターで開催され、人気ストリーマーやプロゲーマーが出場したイベント『RAGE VALORANT』は会場に両日5000人以上を動員し、ストリーマーだけでなくプロゲーマーとの記念撮影を求める長蛇の列が作られた。こうした会場の模様は配信でも数万人が視聴。会場の様子を見た『VCT』優勝チーム・OpTic Gamingのエース・yay選手も「going to japan brb」と反応するなど、国外からも注目を集めている。
going to japan brb https://t.co/5AeUpBXll5
— OpTic yay (@yayFPS) May 7, 2022
「ゲーム実況者の視聴者はゲーム実況者のファンで、ゲームのファンではないからゲーム実況者の視聴者が多くてもゲームには還元されないのではないか」。このような指摘は、以前からゲーム実況者と競技シーンの溝を指してよく議論されてきた。
国内で広まるゲーム実況者が視聴者とともに大会を観戦するミラー配信は、こうした溝を越えてゲーム実況シーンと競技シーンを結びつける手段として有効に機能している。日本のストリーマーシーンの持つ力の大きさが、世界で重要視されてきているのかもしれない。