『VALORANT』世界大会ベスト4以上確定! 世界が注目する「ZETA DIVISION」のシンデレラストーリー

世界が注目「ZETA DIVISION」のシンデレラストーリー

 2022年4月10日から4月24日にかけて、アイスランド・レイキャビクにて『VALORANT』の世界大会『2022 VALORANT Champions Tour Stage1 Masters Reykjavik』(以下、VCT 2022 Stage1 Masters)が開催されている。

 本大会には、日本代表チームとして「ZETA DIVISION」が出場。日本チームとして初となるプレイオフ進出を達成し、さらにはベスト4以上を確定させるという歴史的快挙を成し遂げた。止まらぬ快進撃を見せる「ZETA DIVISION」は、勝てばトップ3入りとなる次の試合を4月23日に控えている。

急騰する国内での人気と、求められていた日本チームの活躍

 昨今、日本の『VALORANT』シーンの盛り上がりはすさまじく、今年3月に行われた国内大会「VCT 2022 Stage1 Challengers」では、公式配信のYouTubeとTwitch、ストリーマーによるミラー配信を合わせた最高同時接続数は、24万人を突破した。

 しかし、ますます視聴者が増えていく一方で、これまで日本チームは世界大会で思うように結果を残せず、“最弱リージョン”とも揶揄されてきた。過去に行われた世界大会で、日本チームが獲得できた白星は「Crazy Raccoon」による1勝のみ。日本チームの活躍に多くのファンが期待しているものの、なかなか結果に繋がらないという厳しい現実があった。

 そうした状況を覆し、国内外からの日本チームへの評価を大きく変えたのが、今回の「ZETA DIVISION」の快進撃だ。これまで世界大会で何度も大敗を喫してきたはずの日本チームが、世界の強豪チームを次々に打ち破っていく姿は、シンデレラストーリーとして海外からも大きな注目を集めている。

 なお、『VCT 2022 Stage1 Masters』は、時差の影響で日本時間では深夜から早朝にかけて試合が行われる。にも関わらず、eスポーツ配信分析サイト「Esports Charts」のデータによれば、4月17日に行われた「ZETA DIVISION」と「Team Liquid」の試合で、ミラー配信を含む日本語配信の最大同時接続数は28万人を超えた。

 上記の試合における、配信全体の最大同時接続数は64万人。そのうち、英語配信の最大同時接続数は24万人だった。つまり、英語配信よりも日本語配信の方が、同時接続数が多かったということだ。世界的に見ても、日本はかなり『VALORANT』の人気が高いリージョンだと言える。

Esports Chartsより引用
Esports Chartsより引用

戦うほどに、驚異的な進化を遂げる「ZETA DIVISION」

 「ZETA DIVISION」に注目が集まっているのは、単なる番狂わせとしての躍進だけではない。試合を経験するごとに、驚異的なスピードで進化を遂げていることが『VCT 2022 Stage1 Masters』の戦いを振り返るとよくわかる。

 「ZETA DIVISION」がグループステージで戦った初戦の相手は、韓国の「DRX」だった。この「DRX」との戦いは惨敗と言える内容で、0-2で敗北。暗雲が立ち込めるスタートとなった。

 続く試合では、負ければ敗退というプレッシャーのなか、イギリスの「Fnatic」を相手に2-0で念願の初勝利を手にする。日本チームにとって、大きな一歩だと評されたが、「Fnatic」のメンバーは、ロシア・ウクライナ情勢と新型コロナウイルスの影響で、2名がスタンドイン(代役)出場していたという側面もあった。

 しかしながら、「ZETA DIVISION」は、次に戦ったブラジルの「Ninjas in Pyjamas」からも、2-1で勝利をもぎ取る。3マップ目に突入し、後がない状況からの劇的な逆転勝利で、日本チーム初のプレイオフ進出を叶えた。

 プレイオフの初戦では、ドイツの「G2 Esports」に0-2で敗北。とはいえ、試合内容は非常に接戦で、「ZETA DIVISION」はクラッチやエースなど多くの見せ場をつくり、実力を十分に見せつけた。

 敗者復活のローワーブラケットに移った「ZETA DIVISION」が、次に戦ったのはオランダの「Team Liquid」。この試合では、開幕から「ZETA DIVISION」が圧倒するスタートを切った。2マップ目こそ奪われたものの、2-1で勝利を獲得。EMEAの強豪チームを倒し、ベスト6以上を確定させた。

 続いては、グループステージ初戦で対戦した「DRX」とのリベンジマッチ。「ZETA DIVISION」は、「DRX」への徹底した対策により激戦を繰り広げ、2-1での勝利を獲得。一度は惨敗した相手に、見違えるほどの内容でリベンジを成功させ、さらにはベスト4以上を確定させるという快挙を成し遂げた。

Valorant Champions Tour Photosより引用
Getty Imagesより

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