「腫れ物カスタム」に見る『LoL』ブーム到来とeスポーツ観戦のすすめ

「腫れ物カスタム」は日本での『LoL』ブームを呼ぶか

 このところ、有名ゲーム配信者たちが夜な夜な『League of Legends(以下LoL)』をプレイしているらしい――。そんな噂が突如『LoL』界隈に舞い込んだ。『LoL』とは「MOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)」と呼ばれるジャンルのゲームである。一体、何が起こっているのだろうか。

 ことの発端は、3月初めに行われた5対5のFPS『VALORANT』のVAULTROOM主催カスタムマッチ「VCC VALORANT」の試合終了後。TEAM Dが「二次会」としてTEAM Bを誘い、『LoL』のカスタムマッチをしたことに始まる。そのときのTEAM DのメンバーがMOTHER3(MOTHER3rd)、sasatikk、スタンミじゃぱん、おぼ、うるかの5名で、TEAM Bはじゃすぱー、ありさか、ボドカ、叶、k4senというメンバーだった。

 このメンバーのなかでは『LoL』配信者のスタンミじゃぱんと、日本の『LoL』プロリーグ「League of Legends Japan League(以下、LJL)」に参加しているSengoku Gamingのサブメンバーという経歴を持つ元プロゲーマーのじゃすぱー、そして『LoL』好きを公言してきたk4senがプレイ経験者として知られていたが、ほかのメンバーも1名を除きある程度のプレイ経験を持っていたことが判明。それもあってか、非常に面白い試合が繰り広げられた。

 そしてこのとき唯一の初心者であったおぼが、翌々日から『LoL』の練習配信を開始。ひとりでプレイしていたところ、同時刻に『LoL』をプレイしていた鈴木ノリアキを発見し連絡をとった。そこへk4senも合流し、さらにツイッターで「@2」の募集をかけ、リプライでボドカとSHAKAが名乗りをあげた。5人で何戦かした後に葛葉、たぬき忍者、うるか、乾伸一郎、MOTHER3が次々と合流し、再びカスタムマッチが実現。この日から、『LoL』に魅了された配信者たちが毎晩のように「腫れ物カスタム」を配信する日々が始まった。

 ちなみに「腫れ物」というのはk4senをはじめとする一部の配信者が、一緒に『VALORANT』をするメンバーを募集してもなかなか人が集まらなかった経験から自称したことに由来するとされ、「腫れ物カスタム」という名称は、先に触れた「VCC VALORANT」の参加者名簿を見た視聴者たちの間で自然発生したものである。

 配信者たちが楽しそうに『LoL』をプレイする姿は『LoL』が好きな人たちはもちろん、『LoL』を知らなかった配信者のファン層にも楽しみを与えている。しかし、ゲームへの理解が深まればもっと楽しんでもらえるのではないか、そう考えた『LoL』界隈の人たちが「LoL指南」を次々に開始。初心者向けのお勧めチャンピオン、覚えておきたい『LoL』用語、画面UIの見方など、明らかに新規層へ向けた動画やツイート、ブログ記事が増えていった。

 その後「腫れ物カスタム」には、様々な配信者が参加するようになった。一人ひとり名前を挙げていきたいのはやまやまだが、あまりに多いので割愛させていただく。そのうち参加希望者があふれ出し、観戦者に回るケースも。そこからいわゆる「神視点配信」が始まった。3月下旬には「LJL」の元解説者Day1が現役実況者のJaegerを配信に呼んで本格的な実況解説を披露し、さらなる注目を集めた。

 そしてついに、DetonatioN FocusMe(以下DFM)所属の現役プロゲーマー・Eviまでもがカスタムに参加。そのときの配信内でSHAKAが「最初は『LoL』の有名人がたくさん来てくれて喜んでいたが、界隈に囲われていて逃げられなくなっていることに気づいた」と発言。内心ドキッとした『LoL』ユーザーもいるかもしれないが、「それでも楽しいからいいや」ということで話は丸く収まった。

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