PENTAXがロゴまで真っ黒な一眼レフをつくった理由とは クラウドファンディングで232台限定発売
PENTAXが、国内クラウドファンディングサイト「うぶごえ」にて、同社のデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-3 Mark III Jet Black Edition」のクラウドファンディングを4月27日まで実施している。Pentaxではこれまで、単眼鏡などで利用したことはあったものの、デジタル一眼レフの本体でクラウドファンディングを実施するのは今回が初めてとのことだ。
PENTAXは、2021年11月にオンラインで開催したファンミーティングの中で企画段階の5つのモデルについてアンケートを実施したところ、今回のJet Blackが一番人気という結果に。これを受け、量産化は難しいものの少数ながら希望者に届けられる手段としてクラウドファンディングを選択したとしている。
ロゴや操作部も真っ黒な「PENTAX K-3 Mark III Jet Black Edition」
このPENTAX K-3 Mark III Jet Black Edition、実際にどのような製品なのか外観を見ていこう。「Jet Black Edition」とあるとおり、その特徴はなんと言ってもカラーリングだ。デジタル一眼レフカメラでは、多くの場合シルバーとブラックというカラーリングが用意されている。しかし、Jet Black Editionは、そうした一般的なカラーリングとは趣が異なる。ロゴを含めて本当に真っ黒なのだ。
通常のブラックモデルは、ブラックといってもロゴや操作ボタンの表示などは視認性を高めるために白や赤などのカラーリングが施されている。これに対してJet Black Editionは、ロゴはもちろん操作ボタンの印字も黒い。これは単にカッコいいから、あるいは奇をてらっているからというわけでない。プロカメラマンなどは、被写体への写り込みを防止するため、ロゴ部分などを黒いテープで隠すことがある。そういったプロフェッショナルライクな仕様に応えるためのものなのだ。
操作ボタンを自分好みにカスタマイズして使う人からは、ボタンの役割りが変わっているにもかかわらず、初期設定の機能が表記されていると操作に戸惑うという声も出ており、操作部の印字についても黒くなったとのことだ。背面操作部の印字は、見る角度によっては何も印字されていないかのようにも見える。
また、通常モデルではシルバーのカラーリングのストラップの吊環、三角リングもブラック仕様になっている。もちろん、この製品のための特注品だ。
黒へのこだわりは、単に印字部や細かな部品を置き換えるだけではない。本体の塗装そのものも実は標準のブラックモデルとは異なっている。標準モデルでは、表面に凹凸があるシボ塗装になっている。手触りがよく、高級感のある仕上がりになるのだが、この凹凸が光の反射を生んでしまう。このため、Jet Black Editionでは、フラットな塗装となっているのだ。
さらに、この本体塗装にあわせて、セットとなる「HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WRレンズ」も Jet Blackモデルが用意された。塗装が違うだけではなく、こちらも刻印部には色を載せておらず、本体とおなじく完全な黒だ。また、装着してしまうとわからない部分なのだが、本体との接合面にある防水パッキンも通常のオレンジから黒に変更されている。
このJet Black Edition、特別仕様のレンズとホットシューカバーのセットで購入できるのは4月27日までのクラウドファンディングのみとなっている。ただし、同製品を求める声は海外からも届いており、ボディ単体での販売を実施する可能性はあるという。特別色のホットシューカバーのみを単体購入することも可能だ。こちらもクラウドファンディングのみの限定販売で、手に入れるなら今しかないようだ。