いまのYouTuberは視聴者との距離感が近すぎる? 平成フラミンゴの“ケンカ報告”が示すこと
チャンネル登録者数280万人を誇る人気YouTuberコンビ「平成フラミンゴ」の勢いが止まらない。2022年4月16日現在、公開した動画は11本連続で200万回再生を超える(ショート動画は除く)。
公開した動画がすべて「大ヒット」状態の平成フラミンゴだが、そのなかでもとくに反響が大きかったのが、公開から8日ですでに400万回再生以上を記録している「最近動画を投稿していなかった理由」という動画。
実はその日の動画をあげるまで約2週間、動画をあげていない期間があった(その期間中、1本だけショート動画はアップしている)。動画をあげていなかった理由は、なんとコンビ間の「ケンカ」。平成フラミンゴがYouTube活動を始めてからの約2年間で「初めて」とのことだった。ケンカの理由は、後述する動画によると「どうしてたまごっちをよく死なせちゃうの?」というくらい、ささいなきっかけだったらしい。
YouTuberは「視聴者との距離感が近いこと」が、テレビタレントとの大きな違いのひとつと言われることがある。自宅で動画を撮影したり、無名だった高校生や大学生が、いつの間にか有名人になる「親近感」が、そのように言われる理由だろう。しかしいくら「視聴者との距離が近い」と言われるYouTuberのなかでも「いまケンカをしている」という、至極プライベートな情報まで言ってしまうYouTuberはとても珍しい。
そしてこれくらい赤裸々にいろんな情報を話して、まるで友だちかのごとく視聴者と接する「絶大な親近感」こそが、平成フラミンゴが支持されている理由のひとつなのかもしれない。実際、前述した『最近動画を投稿していなかった理由』という動画のコメント欄には「ケンカしていることを素直に言ってくれてうれしい」といった内容のコメントが殺到していた。
また「素直に言ってくれてうれしい」という内容と同じくらい多かったコメントが「仲直りした2人が、また動画を撮るのを待っています」というもの。視聴者は「仲のいい」平成フラミンゴが好きなのだ。平成フラミンゴもそれを理解しているからか『「近動画を投稿していなかった理由」の動画の概要欄にて「それ(※筆者注:ケンカしていること)を隠して活動をしようと思えばいくらでもできそうですが、私たちにはそれができないし、したくないので今回正直に皆様にお伝えしょうと思いました。」という文章を書いている。
平成フラミンゴの人気のヒミツとも言える「視聴者との距離の近さ」と「コンビ間の仲のよさ」の要素がふんだんに詰まっていたのが、2022年3月22日に公開された「【爆買い】アラサー独身女が大慌てでドラッグストアの購入品を紹介!【スペシャルゲスト登場】」という動画だ。
企画は「2人がドラッグストアで買った商品を紹介する」というもの。1つ目の人気の理由である「視聴者との距離の近さ」に関して、買った商品を見ているとプチプラのコスメや、我々もふだんからよく買うようなメーカーの入浴剤などを買っていた。実際、コメント欄を見ると「もっと高い値段の商品も買えるはずなのに、庶民的な商品をいっぱい買ってくれて、一緒のものを買いやすいからうれしい!」という内容がとても多かったのが印象的だった。
2つ目の人気の理由である「コンビ間の仲のよさ」に関して「ドラッグストアで買った商品を紹介する」という企画自体は、正直そこまでインパクトのあるものではない。それでも2022年4月16日現在、300万回近くも再生されているのは「2人のかけあいそのものが面白い」という理由もあるように思う。この日の動画は30分以上あり、決して短い尺ではなかったが「2人が話している動画なら、ずっと見ていられる」といったコメントも非常に多かった。