『オオカミちゃんには騙されない』の“一途な片想い”に心惹かれる 恋が成就したメンバーは? 

『オオカミちゃん』の“一途な片想い”

 ABEMAの人気恋愛番組『オオカミ』シリーズ。さまざまな視点・立場からの楽しみ方はあるだろうが、その一つとして、一途に相手を思い続ける「片想いの恋愛模様」を応援することが挙げられる。

 現在放送中の『彼とオオカミちゃんには騙されない』(以後、『彼オオカミ』)では、レオ(松本怜生)からゆなへの一途な片想いに胸キュンし、この恋を応援したくなる視聴者も少なくないはずだ。少女漫画の定説でもあるように、女性というのは自分を見つめる男性の眼差しに気づいた時こそがキュンポイントであり、だからこそ少女漫画内では「教室でよく目が合う」というような展開がさりげなく随所に盛り込まれる。正にレオのゆなを見つめる視線は少女漫画のそれであり、切なく、彼女の一挙手一投足に一喜一憂する様は恋愛の楽しみもしんどさも全部を体現しており、性別を問わず共感を集めるのではないだろうか。ゆながどんな振る舞いをしようと、目の前にいる本人を信じ、変わらぬ想いを伝えてくれるレオには、一言で言って“最高かよ”の極みである。

 しかも今シーズンは、女子メンバーのなかに“オオカミちゃん”がいるわけで、ゆな自身が疑われたり誤解されたりするのは当然の中、「オオカミだと思ってないのは一生変わらん。どんな行動取ろうが、今後も」「何百人とゆなのこと疑う人がいても、その何倍も俺がゆなのこと信じとるけん。ゆなが負けそうなときは俺は寄り添ってあげたい」なんて言葉をかけるレオ。ネガティヴな部分も含め、自身の存在丸ごとを受け止めてもらえたかのような気持ちになるだろうし、より本気度が伝わってくる。

 恋愛というのは相手の気持ちがどこにあるのか、仮に自分に向いてくれた瞬間があったとしてもそれがいつまで続くのかなど“不特定要素”に満ち溢れているものであり、そこに“オオカミちゃん”設定が加われば、もう信じられるのは自分の気持ちだけだ。恥をかいたって傷ついたって極論“騙されても良いや”と思える程に相手のことを本当に好きになれた者だけが熱中できるものだとも言える。そして、その先にしか奇跡は起きないのだろう。

 そこで思い出されるのが『月とオオカミちゃんには騙されない』の、HIPHOPアーティストのコア(Novel Core)のヒナ(Hina)への片想いだろう。彼女が迷っている時には、自分の想いは伝えるものの少し離れた場所から見守り、本当に辛そうな時にはさっと手を差し伸べる、その距離感を見誤らずずっと想い続ける姿が功を奏し、両想いを実らせることができたように思える。そんなコアを想起させるように、レオも、第5話では脱落者の復活ルールを知って思わず涙するゆなに「前向いていこ。笑顔がチャームポイントやろ」とそっと励ましていたのは印象深かった。

 また、今シーズンは女性メンバー側にもひたむきに相手を想い続け、奇跡を起こしたメンバーがいる。ユナ(YUNA)からショーンへの一途な片想いだ。

 シャイで自分からは積極的にアピールができず、最初は男性メンバーとなかなか目も合わせられなかったユナ。キッチンカーで出すアメリカンドッグの試食をショーンからいきなりアーンされた“アーン事件”をきっかけに、最初は自分の中の気持ちも素直に認められず、かつショーン本人に疑問をぶつけてみるも期待していた答えとは全く違うリアクション、自分との温度差に戸惑うばかりだった。しかし、それだけで諦めてしまうのではなく、真正面からぶつかっていこうと迷いを吹っ切り行動する姿は頼もしく愛らしかった。自分にとっての一大事を“何にも考えてなかった”という一言で済まされたのに、そこからモヤモヤするだけで終わらずはっきりと自分で白黒つけようと行動する姿は強く立派だ。このユナの姿勢に勇気をもらった視聴者も少なくないだろう。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる