「もうメディアに出られないかも」から始まったメタバース生活。ガリガリガリクソンがバーチャル世界で取り戻した“少年時代”
メタバース×芸人でやりたいことは「匿名で加入できる芸人のアイドルグループ」
――お笑い芸人×メタバースとか、タレント×メタバースというテーマで仕掛けたいことはありますか?
ガリクソン:先日、東野幸治さんと話した時に「俺も実は美少女やりたいねん」っておっしゃってたんですよね。芸人にも色んな人がいる中で、どうしても現実世界で喋るとみんなキャラを作ったりとか、本当の自分を出さない人が多いんですけど、芸人をメタバースに連れてきて、「本当の自分見せてよ」と言って、それでアイドルとか作ったら面白いんじゃないかと思いますね。実は、中年芸人ばっかり集めてアイドルをやりたいんです。匿名で加入できる芸人のアイドルグループ。それでしばらく活動して、メタバースで仲良くしていた人が「実は東野さんでした」なんてネタバラシされたら面白いと思うんですよ。みんなどんな反応をするんだろうって。
ほかにも僕が気づかないだけでほかのタレントさんとかがアバターを着て遊んでいるかもしれないと思うと、ドンドン可能性が広がるなと思いますね。
――タレントさんでメタバースを楽しまれてる方についてはどなたかご存知ですか?
ガリクソン:藤崎マーケットの田崎くんはやっていて、普通に住人として過ごしてますね。
一緒にワールドを巡ったりとか、メタバース上のお笑い芸人さんがいらっしゃるのでそういうところに一緒に誘ってみたりとか。「吉本の芸人さんを他に誘うなら誰が良い?」みたいな話はしていますね。
――ほかのタレントさんを誘ったりすることもあるんですか?
ガリクソン:もちろんありますよ。たとえば一発屋芸人さんとかって、現実の世界で活動の場をなくしてたりしても、実は面白かったりするんですよね、一回売れてるので。そういう方って一回挫折してるので、いい意味でプライドも低くて。僕と一緒で「俺お笑い芸人やねん!」っていうタイプじゃなくて、こそっと美少女アバターを着て遊ぶような人を集めています。ただ、まだみんなそこまでガッツリ来れていない部分もあるので、これからもっとやっていただこうかなと思っていますね。
――メタバースで遊びはじめたときに印象に残ったエピソードを教えて下さい。
ガリクソン:最初に入ったのが去年の10〜11月くらいなんですけど、プラットフォームによって特色が違うんです。たとえば「NeosVR」だと、職人さんというか技術の高いクリエイターさんが集まっていて、「VRChat」は「みんなで遊ぼうぜー!」みたいなテンション感だったり。なので「VRChat」でしばらく遊んで「NeosVR」に行くとテンションが高すぎて「ガリクソンさんしばらく『VRChat』にいたでしょう」なんて言われたりしますね(笑)。一言でいうとメタバース空間なのに匂いが違うのが面白いんです。
――ユーザーの配信などにも出演されていますよね。
ガリクソン:お誘いいただいてスケジュールが空いてたら、だいたい全部参加させていただいていますね。そこで配信方法を見ることで、自分の勉強にもなっています。そういう場所には面白い企画や面白い人が集まっているので、友達を作るきっかけにもなりますし。
1つだけ悩みがあって、昨年結婚したのですがVRでばかり遊んでいて、奥さんと全然話していないのが心配なので……はやく僕の奥さんもこちらに来てほしいですね(笑)。
――一方でメタバースに感じる課題はありますか?
ガリクソン:夜にプレイされてる方が多いじゃないですか。なのでお昼にログインしても誰もいないので「僕だけ暇なのかー!?」ってショックを受けることがあります(笑)。
みんな夜にログインされるのですが、美味しそうな3Dモデルとかを出してくる人がいたりとか、「バーチャルマーケット(Vket)」とかだと置いてある美味しそうな3Dモデルをクリックするとその場で注目できてしまうんですね。あの時間帯に美味しそうなモデルがあるとクリックしちゃうじゃないですか(笑)。
それは冗談ですが、スマホでできる「メタバース」が広がっていくなかで、機器のスペック面の問題などでどうしても表現力に限界があるじゃないですか。手軽に参戦できるのは大きなメリットですが、VRゴーグルを被るともっとリッチな体験ができるので、ぜひみんな技術のハードルを乗り越えて遊びに来てほしいです。そして、もっと手軽にリッチな体験ができるデバイスが生まれるといいですね。
あとはお笑いのライブをするとしたら、100人くらい集まると重くなってしまうので、そこが軽くなると嬉しいですね。