アラサー、独身、無職。崖っぷちの遥が選んだ年齢に囚われない生き方とは 『30までにとうるさくて』最終話

『30までにとうるさくて』最終話

 そして、年収2000万円の相手を見つけるべく婚活に励んでいた藤沢花音(佐藤怜)も、理想と現実の狭間で揺れていた。理想は、お金持ちの人と結婚をすること。けれど、無職の元社長・高村(渋江譲二)に心惹かれてしまっているのだ。しかも、高村には中学生の娘・愛梨(豊嶋花)がいる。年収2000万円でもない、なおかつ子持ちな高村は、花音的にNGな相手のはずだ。

 しかし、花音は高村とともに生きる道を選んだ。「考えてみたら、年収高い男を見つけるより、年収高い男に育てる方がはやいよね」と言う姿は、なんともたくましい。相手に手綱を預けるのではなく、自分で道を切り開いていく。花音の婚活を通して、幸せをつかむ秘訣を学んだような気がする。

 また、選択的シングルマザーになると決めている三浦恭子(山崎紘菜)は、佐倉詩(石橋菜津美)の紹介で、条件に合う精子ドナーを見つけることができた。詩も、同性のパートナー・真琴(中田クルミ)との同性パートナーシップ制度を結ぶことに。母にも祝福され、自分たちの幸せの形を見つけた。

 新型コロナウイルスの流行により、人と人とのつながりが希薄になりがちな今日この頃。自分だけが取り残されているような気分になったり、時間のムダをしている気がして焦ったり。多くの人が、いつも以上に焦燥感に駆られながら生きていると思う。

 だからこそ、『30までにとうるさくて』は、より心に響く作品になった。“30までに”と焦っていた彼女たちが、年齢にとらわれることなく自分だけの道を見つけていく姿。カフェ&バーの店員・みちる(菊池亜希子)の離婚式に参列しながら、「30までにって悩んでた私たちって、なんなんだろうね」と笑い合う彼女たちを見て、心が晴れやかになっていくのを感じた。

【場面写真】最終話ハイライト(全19枚)

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