さとうほなみら演じる“29歳独身女性”の悩みが刺りまくる 『30までにとうるさくて』1&2話

『30までにとうるさくて』1&2話レビュー

 思わず、「分かる!」と叫びたくなるドラマが始まった。さとうほなみ主演の『30までにとうるさくて』(ABEMA)である。本作は、東京で暮らす29歳独身女性4人が織りなす物語。それぞれが、「30までには結婚しないと」「子どもを産むなら、焦った方がいいのかな」と悩みを抱えた日々を過ごしている。恋にキャリア、性に友情……働く女性なら、一度は経験するであろうテーマが登場するため、SNSでも共感の声が上がっていた。

【場面写真】第1&2話ハイライト(全27枚)

 4人の登場人物は、実に個性が豊かである。5年付き合っている彼氏にプロポーズされたが、セックスレスに悩むバリキャリ女子・美山遥(さとうほなみ)に、仕事一直線で恋愛には興味がなかった敏腕女社長・三浦恭子(山崎紘菜)、年収2000万以上の男性との結婚を目指して婚活に励む藤沢花音(佐藤玲)に、女性のパートナーと暮らすフリーのクリエイター・佐倉詩(石橋菜津美)。それぞれが異なる悩みを抱いているため、共感できるキャラクターがきっといるはずだ。たとえるなら、日本版『セックス・アンド・ザ・シティ』のような作品になっていくのではないだろうか。

30までにとうるさくて

 “30歳”という年齢の節目を、意識する人も多いと思う。バブル期に言われていたクリスマスケーキ理論(=女性の価値が、24歳をピークに下降の一途を辿っていくことのたとえ)はさすがに風化してきているが、年齢からは逃れられない。平均初婚年齢が上がっても、35歳から高齢出産になるのは“現実”なのだ。仕事を頑張りたい気持ちと、幸せな家庭を築きたい夢。女に生まれた私たちは、両立することができないのだろうか。

 「仕事も、子どももって、ワガママかな?」「ワガママじゃないよね。男なら」ーー。『30までにとうるさくて』に登場する彼女たちも、悩んでいることは同じだった。4人が繰り広げるガールズトークに、大きく頷いてしまう。たしかに、そうだ。男性は結婚したとしても、「仕事は続けるの?」と聞かれることは少ないだろう。子どもができたからといって、身体の不調と向き合わなければならないわけでもない。

30までにとうるさくて

 ただ、ハイスペックな旦那を捕まえるために、婚活に励む花音のように、「結婚=逃げ道」にしている女性がいるのも事実だ。男性からすれば、「結婚という逃げ道があって、いいよな」と思うのだろうか。もしかすると、結婚後は働かずに家を守りたいと思う男性もいるのかもしれない。ただ、“男性は外で働き、女性が家事育児をする”という固定概念にとらわれている人はまだまだ多い。コロナ禍になり、生活様式はどんどんアップデートされているのに、性別役割分担意識は大きく変化していかないのが、現実なのである。

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