アラサー、独身、無職。崖っぷちの遥が選んだ年齢に囚われない生き方とは 『30までにとうるさくて』最終話
ABEMAオリジナルドラマ『30までにとうるさくて』では、4人のキャラクターを通して“29歳問題”を描いてきた。
30までに、結婚しなきゃ。30までに、キャリアを築いておかないとーー。
アラサー女性の大半が、一度は悩んだ経験があるのではないだろうか。とくに29歳は、いちばんもがく年齢なのかもしれない。
年を重ねるごとに「何かがしたい」ではなく「何かをしなきゃ」で人生を選択するようになってしまう。美山遥(さとうほなみ)も、そうだった。
最終回では、元婚約者の長島奏多(堀井新太)からふたたびプロポーズを受ける。遥の浮気に激怒していた奏多だが、年齢のことを考えると、「ここで結婚しておかなければ!」と思ったのだろうか。
遥も、奏多と一緒にいることに違和感を感じていた。しかし、浮気のせいでキャリアも手放したいま、奏多の存在が唯一の“逃げ道”に見えたのだろう。「もう、30だし」と葛藤する遥に、年下のミュージシャン・森悠斗(中川大輔)がこんな言葉を投げかけた。
「知ってます? ほんの100年くらい前まで、誕生日ってなかったんです。それまで、人類に年齢という概念はなかったんです。だから、そんなものに縛られるのバカらしいと思いませんか?」
この言葉を聞いて、フッと心が軽くなったような気がした。私たちは、知らず知らずのうちに、「〇〇歳なんだから」と年齢を意識してしまっている。年齢という概念がなくても、心から「やりたい!」と思えるものこそが、本当にやりたいことなのかもしれない。
それに気が付いた遥は、奏多との婚約を破棄して、デンマークへの留学を決めた。適応障害になったことで、メンタルケアの勉強をしたいと考えたようだ。たしかに、日本ではカウンセリングに少し構えている人が多い気がする。海外では、仕事のパフォーマンスを維持するために、気軽にメンタルクリニックに通う人がいるというのに。遥はその問題を解決するために、一歩を踏み出した。