初代iMacのゲームが最新のM1 Macでグリグリ動く!? 実際に『Nanosaur』をプレイしてみた

初代iMacのゲームが最新のMacで動く!?

 1998年、登場と同時に一世を風靡した初代iMac。その初代iMacにバンドルされていたゲーム『Nanosaur』が、最新のM1 Macで起動した。20余年の時を経て蘇った伝説のゲームを、最新のMac上で味わってみてはいかがだろうか?

 Nanosaurは米Pangea Software社が開発したTPS(3人称視点でのシューティングゲーム)だ。Pangea Software社は、古くはApple ][(Mac以前にアップルが販売していた8bitパソコン)向けにシェアウェアのゲームを販売していた老舗の独立系ソフトハウスで、現在はiOS向けのゲームを開発している。

 初代iMacのスペックは、プロセッサにPowerPC 750(G3)233MHz、グラフィックスにATI(現AMD)の3D Rage IIc(2ヶ月後に登場したiMacリビジョンBからは3D Rage Pro、さらに3ヶ月後に登場したリビジョンCからは3D Rage Pro Turbo)を搭載していた。「3D Rage」シリーズは現在のRadeonシリーズの前身となるGPUで、3D性能ではライバルであるNVIDIAや3dfx(後にNVIDIAが買収)と比べてやや劣るものではあったが、AppleはこのGPUを採用し、iMacがゲームもできるコンピューターであることをアピールしていた。そして実際に、多数のバンドルソフトのうち何本かはゲームが搭載されており、その中の1本がNanosaurだったのだ。

 ゲームのストーリーは、42世紀、地球を支配する高度な知能を持った恐竜「ナノザウルス」が、タイムマシンを使って紀元前6500万年の恐竜時代に戻り、巨大な隕石の衝突によって恐竜が絶滅してしまう前に卵を集めて持ち帰り、近親交配によって種の危機に陥っている仲間を救おうとするというもの。主人公は雌のデイノニクス(小型の二足歩行肉食恐竜)で、背中に付けた武器とジェットパックを駆使して大型恐竜や古代植物のトラップなどをかいくぐり、卵を集めていく。操作は移動と攻撃、武器切り替え、ジェットパックの使用(ジャンプ)程度のシンプルなものなので、気軽に遊べる。まあ後半の難易度は結構高いのだけど……。

 NanosaurはMac OS 8.1〜9.x用だったが、長らくソースコードが公開されていた。そして2021年、ついにIliyas Jorio氏の手によってWindows、Mac、Linux向けのオープンソース版が開発され、GitHubで公開された。最新版の1.4.2は、ついにM1 Macでも遊べるようになったのだ。

Nanosaur Mac ゲーム
Nanosaurのリリースノート。Apple Siliconに対応している。

 最新のNanosaurはゲームの内容はそのままに、Retinaディスプレイや4Kディスプレイのような最新のハードウェアにも対応しており、M1 Macで起動すると、当時とは比較にならない美しいグラフィックが表示される(元のモデルがかなりのローポリ&ローテクスチャなので、そこはどうにもならないが)。 32bit時代のオールドゲームが最新のゲーム機用にリメイクされてフルHDに対応するような感覚だ。

 Jorio氏はこのほかにも、やはりPangeaのゲーム「Bugdom」を移植している。当時を知る人は懐かしみつつ、知らない人はほぼ四半世紀前のゲームを取り巻く環境がどのようなものだったかに思いを馳せながら、プレイしてみてはいかがだろうか。

・GitHub Nanosaur v1.4.2 Release note
https://github.com/jorio/nanosaur/releases

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる