“ゲームのサブスク”は、困難極まるゲーム開発の救いの手となるのか?

“ゲームのサブスク”はゲーム開発者を救うか?

 しかし、この手法は残念ながら現状完璧ではない。なぜなら他のコンテンツを配信するサブスクリプションサービスと比較した際、ゲームというジャンルはあまりにも多様性に富んでいるからである。たとえばドラマやアニメを週に一度のペースで1話ごとに配信するサ―ビスは、まさしく「未完」のまま作品を提供し続けていると言える。それでも受け入れられているのは、「1話」という単位が、未完の状態でも作品の魅力を維持する上で最適化された形態であるからだ。一方、ゲームはJRPGやアドベンチャー、シューティング、アクション、ローグライクなど、数え切れぬほどのジャンルが存在し、未完のままでも容認できる形に内容を切り分けることが可能なジャンルは限られてくる。定期的に内容を更新することも開発規模によっては難しい。

 だが、サブスクリプションに最適化されたメディアが音楽を始めとする各分野から続々と登場してきたように、ゲームに対しても同様の変化が訪れるであろうことは想像に難くない。同時に、この作風が広く一般化された場合の未来を想像して、新しいゲーマーのプレイスタイルに思いを馳せた。ひとつの作品に定住せずさまざまなゲームを渡り歩く日々。千変万化する情景の中に、たしかな欠落といつまで経っても完結しない飢餓感が常につきまとう日常。

 この光景が現実になるのは来年なのか数年後なのか、それとも幻で終わるのか。少なくともたしかなことは、ゲームはまだまだ進化し続けるということだ。

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