AndroidでもAirTagの検出が可能に これまでの事例にはティム・クックを追跡するものも?
今年4月に発表されたApple純正忘れ物タグのAirTagが、Android端末ユーザーにとっても便利になるという。しかしAirTagをめぐっては、悪用と思われるものを含めてさまざまな検出事例が報告されているようだ。
Androidユーザーもより安全に
CNETは13日、他人のAirTagを検出できるAndroidアプリ「Tracker Detect」がリリースされたことを報じた。同アプリに関しては、AirTagをアップデートした今年6月時点で今年後半にリリースされると予告されていた。Appleはこの予告を遵守したかたちとなる。
AirTagには、iPhoneからタグに内蔵されたスピーカーを鳴らす基本機能のほかに、ストーカー防止機能が実装されている。例えば、悪意のある第三者が任意のユーザーのかばんなどにAirTagを紛れ込ませた場合、ユーザーに第三者のAirTagが近くにあることを知らせる警告音が鳴る。もっとも、このストーカー防止機能はiPhoneのみに対応していた。今回リリースされたTracker Detectアプリは、Androidでもストーカー防止機能を使えるようにするものだ。
Tracker Detectのリリースに際して、Appleの広報担当者は「Tracker Detectは、Androidユーザーに知らずに持ち歩いているかも知れないAirTagやサポートされているFind My対応アイテムトラッカーをスキャンする機能を提供します。私たちは、ユーザーと業界のためにプライバシーに関する基準を引き上げており、他の企業がこれに続くことを望んでいます」と述べた。
なお、AndroidユーザーがTracker Detectを利用する際にApple IDを取得する必要はない。
根絶できない悪用
AirTagにはストーカー防止機能が実装されているものでも、悪用される可能性が指摘されている。前出のCNETの記事によると、同タグがリリースされた当初、批評家たちは居場所の特定に悪用される懸念を表明していた。実際、ストーキング目的で使われたと疑われる検出事例が多数報告されている。
アメリカ・ノースカロライナ州の地方メディアWECT Newsは11月19日、アーカンソー州在住の女性がストーキング目的で使われたと疑うAirTagを検出したことを報じた。この女性が自身のiPhoneを手に持ったところ、AirTagを検出したことを伝えるメッセージが表示された。同タグを探してみると、彼女の自動車のナンバープレートにテープで貼り付けられており、覚えが一切なかったことから、見つけた同タグを持って警察署に行ったとのことだ。
テック系メディア「MUO」が11月7日に公開したAirTagに関する特集記事では、同タグの悪用事例としてストーキングのほかに、DVの加害者がパートナーを監視するためにも悪用できることが指摘されている。