「AirTagストーキング」は誰にでも起こり得る? 未然に防ぐ方法はあるのか

「AirTagストーキング」未然に防ぐ方法とは

 Appleから4月に登場した忘れ物防止タグ「AirTag」。精度の高さやデザインの美しさが注目される一方で、セキュリティ上のリスクを指摘する声も挙がっている。

 AirTagは何が問題なのか、安全に使うにはどうしたらよいのか? 改めて、AirTagとのつきあい方について考えてみたい。

AirTagは何が問題視された?

 AirTagは、自分の荷物などに取り付けて使う忘れ物防止タグ。自分のiPhoneとペアリングすることで、「探す」アプリからAirTagの現在地を確認できるようになる。

 ツルンとした碁石のような外見の美しさや、室内での紛失時にはAirTagまでの方角や距離まで確認できる精度の高さが注目される一方で、ストーキングツールとして利用されてしまうのではないかという問題点も指摘されてきた。悪意のある人物がAirTagを他人の荷物に紛れ込ませた場合、相手の居場所を遠隔で確認できる状態になってしまうためだ。

 もちろんAppleも、この問題に対する対策は講じている。iPhoneの場合、他人のAirTagが持ち主のiPhoneから離れた状態で近くにあることを検知すると、画面上にアラートが表示される。現状ではAndroidスマホはアラート表示に対応していないが、AppleはAndroid向けの検出アプリも開発中と表明している。

 また、持ち主のスマホから離れて一定時間が経過すると、AirTag本体から音が鳴る機能も用意されている。当初は持ち主から離れてから3日経過すると音が鳴るしくみだったが、現在は8時間から14時間の間でランダムで鳴る仕様に変更されている。

 ただし、これらのアラートを見逃して他人のAirTagを持ち歩いてしまった場合、追跡を許してしまうことになる。

どこに注意すればいいのか?

 では、もし知らないうちにAirTagを自分の荷物の中に入れられてしまった場合は、どう対応すればよいのだろうか?

 先述のとおり、iPhoneの場合は画面にアラートが表示されるので、比較的早い段階で気づくことができそうだ。ただし、アラートの画面表示に対応していないAndroidスマホの場合は、現状ではAirTag本体から発せられるアラート音に頼ることになる。この場合にはより注意が必要になりそうだ。

 筆者も試しに、普段使っているスマホとは別のiPhoneにAirTagを登録した後、そのAirTagを持ち歩いてアラート音を鳴らしてみた。しかし、ボリュームも音が鳴る長さも想像以上に控えめで、「警告音」という感じではなかった。

 もし、突然身近でこの音が鳴っても、「何かのアプリの通知音かな?」とそのまま放置してしまう可能性が高そうだ。聞き慣れない電子音がしたら必ず音の発信元を確認することを心がけることが重要だろう。

 また、自分の荷物にAirTagを混入されるのを防ぐ物理的な対策として、カバンの口を開けた状態で人ごみを歩いたり、他人が触れることのできる場所に放置したりするのを避けることや、身に覚えのないものがカバンの中に入っていないか確認する習慣をつけるといった地道な心がけも必要かもしれない。

 いずれにしても、AirTagを自宅やその付近に持ち込んでしまうと、その時点で相手に現在地を知られてしまう可能性が高いため、自分の生活圏に持ち込む前に気づくことが大切だ。

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