YouTubeの新たなトレンド「雑談動画」とは 次世代女性YouTuber・むくえなの活躍に注目
ここ最近人気を集めているYouTubeといえば、「コムドット」や「平成フラミンゴ」の名前を思い浮かべる人が多いだろう。どちらにも共通しているのが、幼馴染同士のチャンネルであるということだ。そのようなチャンネルが人気の理由には「幼馴染ならではの日常会話が面白い」という意見が多い。これまでのYouTubeはいわゆるサムネ釣り動画や「○○してみた!」など企画性が強く、誰もがやったことのないチャレンジ系の動画がバズっていた。
それに反して、現在人気を集めているのは動画映えしない「雑談動画」である。Uber Eetsを注文して食べながら話したり、家を出る準備をしながら話したりするなど、「会話」がメインの動画が、YouTubeの新しいトレンドになっている。その潮流に乗っているのが今回取り上げる「むくえなちっく。」である。
「むくえなちっく。」は2000年生まれの幼馴染二人組によるチャンネルであり、現在のチャンネル登録者は25.8万人である(2021年12月2日時点確認)。チャンネルのスタートは2017年であり、インスタグラムのストーリーあるあるや、女子高と共学高の違いあるあるなどの「あるある動画」がバズっている。また、昨年には『マツコの知らない世界』(TBS系)に「#(ハッシュタグ)の世界」の回に若者代表として出演するなど、YouTube以外にも活躍の幅を広げている。
むくえなの動画のコメント欄には「2人の会話を聞いていると友達と話している感覚で楽しい」「自分も友達と話しているとこうなる、まるで自分を見ているみたいだった」などというコメントが多い。実際に2人の動画のほとんどは企画メインではなく、2人の雑談がメインであり、「むくえな」が人気なのは、気取らなさから出てくる会話のリアル感なのだ。例えば、「スタバの店員さんがイケメンで優しかった」、「ディズニーでとんでもなくかわいい人を見て病んだ」など、動画内では語られる話は、同世代の女子からすると共感できることばかりだ。
最近では、俳優の菅田将暉と小松奈々の結婚を受けて、ケーキを食べる動画が公開されていて、その会話は実際に友達と話すときのリアルなテンション感そのものである。話を盛ったり大げさに話したりするわけでもないのに2人の会話が面白いのは、幼馴染ならではのテンポのいい会話と、2人にしか分からない笑いのツボを交えながら視聴者にとって身近な恋愛やダイエットなどが話題であるからだろう。視聴者は2人の会話に参加しているような気分になり、日常の実体験とむくえなの会話を重ね合わせて動画を楽しんでいる。