「にじロック」から『NIJIROCK NEXT BEAT』へ 7人が見せた“邦楽ロックへの愛とリスペクト”

『NIJIROCK NEXT BEAT』に感じた“愛とリスペクト”

 本編のトリを務めたのは加賀美ハヤト。ハイトーンとグロウボイスを駆使するボーカルはメタルコアバンドのボーカリストそのものであるが、「スターフィッシュ」と「ある証明」をカバーした際にはテクニックを排して思い切り歌い上げていくのが印象的だった。「最初の配信でドリンク代といってコメントが投げられていましたが、本当に叶うものですね」と語る声は、歌う時にも少しだけ震えているように感じられた。

 そんな加賀美といえば、自身が『にじFes』に参加した感想配信にて「にじFesのライブ演出で火の柱とかバンバン出して感動しましたが、お金のことを考えるとスタッフに強く出られないかもしれない」と語るときもあった。

 この日のライブ演出は、火柱、爆竹、スモーク、シャボン玉と多種に渡ってステージを盛り立てる。レーザーライトと照明が多彩に会場中を照らし出し、3Dボディとなった7人を映し出す大画面の液晶が6枚、彼らは縦横無尽に駆け巡って声を張り上げていく。上空には斜めに走っていくカメラがアリーナ席とステージを捉えており、そこから映し出される会場の風景はまさに「アリーナ会場でライブをこなすロックバンド」そのものだ。

 三枝が最後のMCで「色んなロックがあるなと思った」と素朴に語っていたが、七人七様に好きなものを詰め込んで披露した一夜は、邦楽ロックの多彩さとライバー各々の審美眼と愛情が無くては生まれないものだ。先人からの魂を引き継ぎつつ、彼らは彼らなりの鼓動を次に叩き始めるのだ。

※記事初出時、一部ユニットメンバー名に誤りがございました。訂正してお詫びいたします。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる