スキルレーティング制導入の『Dead by Daylight』 システム変更の裏にあった“ランク制の問題点”とは

『DbD』スキルレーティング制変更の裏側を読む

 9月9日0時、『Dead by Daylight』に「スキルレーティング制」によるマッチメイキングシステムが実装された。

 いったいなぜ同タイトルは、マッチメイキングシステムを変更したのだろうか。「スキルレーティング制」の概要を踏まえ、その理由へと迫る。

「スキルレーティング制」とは?

 『Dead by Daylight』ではこれまで、マッチメイキングシステムに「ランク制」が採用されていた。同制度では、サバイバー・キラーそれぞれに大きく4種類ある基準から、儀式におけるプレイの評価を算出。結果に応じてpip(ランクの増減を決めるエンブレムシステムで獲得できるポイント)を付与し、その蓄積で各プレイヤーを1~20のランクに分類していた。すべてのマッチメイキングは、基本的にこの数値にもとづいておこなわれるため、ランク1のサバイバーは、ランク1、もしくはその近辺の味方と協力し、同等のキラーと対峙することになる。ランク数をもとにマッチメイキングのバランスを取っていたのが「ランク制」である。

 一方、新たに導入された「スキルレーティング制」では、戦績によって変動するダイナミックな指標を活用し、マッチメイキングをおこなう。同指標は、各プレイヤーが全サバイバー共通で1つ、キラーごとに個別で複数持つ、新しいパラメータだ。他者はもちろん、本人も詳細を把握できないマスクデータとなっている点が特徴で、運営によると、複雑かつ特殊なルールのもと算出されており、格上のプレイヤーとの対戦で活躍した際には、大きな数値上昇があるのだという。公式発表のテキストを読むかぎり、結果だけを反映するものではなく、試合内容(スコアなど?)を複合的に判定し、上下する指標のようだ。今後はランクを参照せず、このパラメータのみでマッチメイクするシステムへと移行する。この変更がどのようなプレイ体験をもたらすか。動向に注目が集まっている。

「ランク制」によるマッチメイキングが抱えてきた問題点

 なぜ「ランク制」を廃止し、「スキルレーティング制」を導入する必要があったのだろうか。その理由は、旧制度によるマッチメイキングが問題を抱えていた点にある。

 先述のとおり、儀式の結果をもとに格付けされていた『Dead by Daylight』のランクだが、実際にはpipの獲得がそれほど難しくなく、遊ぶ頻度の高い人ほど、高位まで上がりやすい傾向にあった。そのため、同じランクのプレイヤー同士でも、技術やゲーム理解に差のあるケースが珍しくなく、不均衡なマッチメイキングが問題となっていた実態がある。ここには月に一度実施される「ランクリセット」が関係している。

 「ランクリセット」とは、毎月13日に全プレイヤーのランクを一定量下げる『Dead by Daylight』の定例イベント。「ランク制度」を形骸化しないためにおこなわれる、ファンには恒例の行事だ。イベント日を迎えるたび、各プレイヤー(サバイバー・キラー問わず)のランクは、変更前の数値によって1~4ほどマイナスされる。たとえば、ランク1ならランク5に、ランク8ならランク9に、といった具合に調整される仕様となっている。

 これにより、休眠プレイヤーのランクは、最長でも5ヶ月ほどで1番下の数値まで巻き戻される。最後にプレイしたとき最高位であったとしても、しばらく遊ばないうちに最低位へと分類されてしまうのが、『Dead by Daylight』の「ランクリセット」の仕組みだ。当然、この低下は、技術・ゲーム理解が衰えていなくても、例外なく全プレイヤーに適用される。そのため、「プレイ頻度は高いが、技術・ゲーム理解が十分でない高ランクのプレイヤー」「現在のプレイ頻度は低いが、過去やり込んだ影響で技術・ゲーム理解が十分な低ランクのプレイヤー」という逆転現象が起こることになる。

 こうした問題点をはらんだ「ランク制」によるマッチメイキングは、対戦相手はもちろん、協力相手の体験も悪化させる恐れがある。複合的な要素によって変動する、リセットされない指標で、マッチメイキングにおける長年の課題を解決すること。これが「スキルレーティング制」導入の背景だ。



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