『マリオカート』はなぜ公式のeスポーツ大会が開催されない? その原因と可能性に迫る
ここまで大規模になった『マリオカート8 デラックス』だが、なぜ公式のeスポーツ大会が開催されないのか、それには2つの要素が関係していると思われる。1つ目は、“マリオ的要素”である。同じNintendo Switch作品のマリオシリーズにおいて、『スーパー マリオパーティ』や『New スーパーマリオブラザーズ U デラックス』など、家族や友人とパーティーゲーム感覚で遊ぶことができる同作は、スポーツ性よりもパーティー性を重視して作られたゲームのため、あくまでもパーティーゲームという認識で遊んでもらうという制作側の意図があるのかもしれない。
A study by a team of scientists has found Mario Kart and FIFA to be the most stressful video games to play. pic.twitter.com/X7entS5A1K
— ESPN UK (@ESPNUK) November 11, 2020
2つ目は、“運”要素である。『マリオカート』シリーズは通常のレースゲームと比べてコースに設置されたアイテムを使って順位を競うため、そのアイテムの強さによって実力以上に運が絡んでしまう。米国のギャンブル情報サイトBonusFinderが発表した最もストレスがたまるゲームランキングでは、市場で人気がある16タイトルをプレイし、そのときの平均心拍数の上場率を調査。その結果、見事1位に『マリオカート』が選ばれた。”運”要素が強いがゆえにストレスが溜まる原因となってしまい、スポーツとして成り立たないという見方もあるのかもしれない。
しかし実は、過去の作品で任天堂が主催する『マリオカート』の公式大会が開催されていた。初めて開催されたのは、マリオカートシリーズ3作目『マリオカートアドバンス』でタイムアタック大会として、レース完走の速さを競う大会が開催。続く4作目の『マリオカート ダブルダッシュ!!』や5作目の『マリオカートDS』、6作目の『マリオカートWii』でも公式のタイムアタック大会が開催されていた。いずれにしても順位を競うレース形式でなく、タイムアタック形式で開催されているという点では、公式も本作のレース性について何かしらの見解を持っているように感じる。
とはいえ、今後まったく可能性がないというわけではない。シリーズ7作目『マリオカート7』では、2012年に、「次世代ワールドホビーフェア '12 Winter」で、レース形式の公式大会が開催されたからだ。
ストレスが溜まったり、運が絡んだり、公式の大会が開催されていないとしても、ここまで長く多くの人に注目されているということは、それほど面白く、人気である証拠。次のナンバリングタイトルが出るのが先か、公式大会が開催されるのが先か。今後の同シリーズと公式大会を巡る動向から、ますます目が離せない。
■参照
・EndGameTV主催『MARIO KART WORLD CUP 2021』HP:https://endgame.tv/mkwc/