『ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD』はただのリマスターではなく、初心者向けの“原点を描く奥深いゲーム”だ

『ゼルダの伝説 スカウォHD』はただのリマスターじゃない

 任天堂は7月16日、Nintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD』(以下、スカイウォードソード HD)を発売した。本作は2011年11月23日にリリース済みのWii用ソフト『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』(以下、Wii版)をベースとしたリマスター作品。一部システムに変更が加えられているものの、それ以外の軸(ストーリー・世界観など)は形式を変えずに収録している。

ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD 紹介映像

 ”リマスター作品”と聞いてお気づきの通り、『スカイウォードソード HD』は直近で発売済みの『ゼルダ無双 厄災の黙示録』や、今後の展開に世界中が期待を寄せている『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』に続く最新作ではない。

 しかし、『ゼルダの伝説』シリーズファンのみならず、シリーズ初心者にこそ味わってもらいたい”原点の奥深さ”が『スカイウォードソード HD』には詰まっている。というのも本作は、35年の歴史を誇る『ゼルダの伝説』シリーズの始まりを描いた作品なのだ。

『スカイウォードソード』から始まる『ゼルダの伝説』の歴史

 「スカイウォードソードから始まる」とは一体どういうことだろうか?その疑問を解決するために、まずは『ゼルダの伝説』シリーズの時系列を大まかに振り返ってみよう。

 『ゼルダの伝説』(ファミコンディスクシステム)が発売されたのは1986年2月21日。ここから『ゼルダの伝説』シリーズは世界観や舞台を拡張していくわけだが、各タイトルの発売順と時系列は一致しておらず、作品によっては未来が分岐している場合もある。

 その原初にあるのが、マスターソード(シリーズの重要アイテム)創造の所以が語られた『スカイウォードソード』。その後は『ふしぎのぼうし』(ゲームボーイアドバンス/2004年)→『4つの剣』(ゲームボーイアドバンス/2003年)と続き、少年時代と大人時代を行き来して世界を救う『時のオカリナ』(NINTENDO64/1998年)へと物語が紡がれていく。

 とりわけ『時のオカリナ』は重要度が高い作品として知られており、「勇者の勝敗」(ラスボスとの決戦)によって未来が大きく変化。勇者の敗北した世界は『神々のトライフォース』(スーパーファミコン/1991年)や『夢をみる島』(ゲームボーイ/1993年)、勇者が勝利した世界を『ムジュラの仮面』(NINTENDO64/2000年)や『風のタクト』(2002年/ゲームキューブ)で描いている。ちなみにファミコン期の『ゼルダの伝説』や『リンクの冒険』(ディスクシステム/1987年)で描かれているのは、”時の勇者が敗北してしまった未来”の話である。この辺りの時系列はやや複雑さを伴うため、ご興味がある方は「ゼルダの伝説ポータル」のヒストリーページを参照してもらえると幸いだ。

 いずれにせよ、上記の時系列を辿っていくと『スカイウォードソード』という原点へと収束していく。本作では大空に浮かぶ「スカイロフト」を出発の地とし、主人公の青年「リンク」は幼なじみの「ゼルダ」を探すために未知なる大地へ歩み寄る。悪を祓うマスターソード誕生の真相をはじめ、30年以上も連綿と続いてきた『ゼルダの伝説』シリーズの原点を味わうのに持ってこいのタイトルと言えるだろう。

”リンクとして”戦える一体感に溢れたアクション

 『スカイウォードソード HD』の醍醐味は、シリーズの原点を描いた奥深さだけではない。一体感が前面に押し出された操作方法も注目すべきポイントである。

 もともとWii版ではWiiリモコン+ヌンチャクに各種操作が割り当てられており、「縦に振る」、「横に薙ぎ払う」といった動きをプレイヤーが行うことで、画面内のリンクをコントロールできた。そして『スカイウォードソード HD』でもその仕様は踏襲されており、Joy-Conを両手に持ち、Wii版と同様の直感的な操作が存分に楽しめる(ボタン操作と切り替え対応)。

 剣と対応した右手を「振り下ろす・薙ぎ払う・突き出す」、縦と連動した左手を「押し出す」、さらに両手のJoy-Conを使って「矢を射る」……なんて芸当も可能。特に剣の振り方は微調整が効くため、「モンスターのガードが甘い隙間を剣で切り払う」といった剣戟も体験できる。イメージ的にはWiiリモコンを振って攻撃を繰り出す『トワイライトプリンセス』(Wii/2006年)に近いが、ボタン操作が主流の『ゼルダ無双 厄災の黙示録』や『ブレスオブザワイルド』と比べると、そのユニークさがより斬新に映ることだろう。



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