『るろ剣』『ドラゴン桜』に『半沢直樹』まで……俳優自身がドラマ・映画の舞台裏をYouTubeで明かす時代に
通常なかなか見ることができないドラマや映画制作の舞台裏を俳優自身がYouTubeで紹介してくれる時代が来た。
最近だと、映画『るろうに剣心 最終章 The Beginning』の舞台挨拶付き上映会に主演の佐藤健と、同じく全シリーズ出演の江口洋介が潜入した動画が公開され、ファンにとって胸アツな内容となっていた。
元々は大友啓史監督の舞台挨拶の場を兼ねた上映会で、監督も2人の来場はサプライズだったようだ。本当にタイトル「江口さんとふらっとるろ剣観てきました」通り、2人のプライベート感満載の様子が新鮮で贅沢だ。しかも、上映中に佐藤も江口も涙を拭いながら鑑賞している姿が観られ、“生っぽい”その姿に涙を誘われてしまう。“演じている自分を観る俳優本人”を観られる機会はそうそうない。上映後に監督の計らいで、2人も急遽舞台挨拶に加わったが、特に普段試写の場以外で改めて映画館に行って鑑賞する機会があまりないという江口は、込み上げる思いに珍しく男泣きを見せていた。監督も話していた通り、佐藤、江口らが作品を通して積み重ねてきた時間の重みと作品への愛情が終始ひしひしと感じられる貴重な“舞台裏”が垣間見えた。
また、この流れはドラマ出演俳優たちの間でも広がりを見せている。日曜劇場『ドラゴン桜』(TBS系)では、前シーズンで生徒役を演じた紗栄子が本作16年ぶりの出演について、自身のYouTubeチャンネルで観賞会の様子を配信。その前に台詞の覚え方などのこぼれ話を披露していた。さらに、最終回でのサプライズ出演時にはスタジオ入りや楽屋での様子、衣装合わせやメイク入りの様子を密着ドキュメントとしてアップしており、この動画を通して裏側まで知っている視聴者からすれば自ずとドラマも観たくなるし、コメントにもドラマ視聴後の感想を書き込みたくなるだろう。紗栄子のYouTubeチャンネルともなれば、ドラマ作品だけではリーチし得なかった層にも作品を知ってもらい、呼び込んでもらえるチャンスになっているのは間違いない。
同じく『ドラゴン桜』出演の生徒役の加藤清史郎は、1日の撮影風景を自身の手持ちカメラに納め臨場感たっぷりの“ドラマ撮影現場”のリアルな様子を届けてくれた。本人撮影のため、より“潜入感”が出て最もリアル度が高い動画だったと思う。合間にスタジオセットの紹介やロケ弁を食べるシーン、その後の歯磨きシーンまで、分刻みのスケジュールがよく伝わる内容、かつ他の出演者との触れ合いや会話まで映してくれる相当充実な内容だ。2本目の動画では、さらに加藤演じる役どころの部屋の紹介(非常に凝った設定が部屋にも反映されていて改めてドラマ美術のクオリティーに驚いた)や、東大専科のメンバーが多数出演し、より共演者との“オフショット”的なやりとりが収められた。撮影者も加藤だけではなく、時に共演者の長澤まさみ、鈴鹿央士、細田佳央太らに代わり、和気藹々とした撮影現場の様子が伝わる(参照:加藤清史郎&平手友梨奈が伝える舞台裏 『ドラゴン桜』がYouTube動画でさらに楽しい)。