KDDI、なぜクリエイティブチームを発足? 水田修氏に聞く“未来へ向けた5つのテーマと社会貢献”

KDDI“クリエイティブチーム”発足の理由

「取り組んだ成果が、そのクリエイターの名刺がわりになっていくようなものに」

 

ーーそういったコラボレーションによって、KDDIとしてはどんな恩恵を受けることができるのでしょうか? 

水田:クリエイターの方たちは本当にお客様との接点になるコンテンツを作っているので、一緒に作ることでお客様のニーズをダイレクトに拾うことができます。また、クリエイターがどういうことがしたいかを知るための機会にもなると思うんです。お客様に対して本当に良いものを届けるためのノウハウを蓄積の一助になればと考えています。

ーー「au 5G体感シート」や「HYPER LANDSCAPE」でもKDDIとNreal Ltd.のスマートグラス「Nreal Light」を使われています。このツールの優位性やそこから生まれるシナジーにはどういったものがあるのでしょうか?

水田:「Nreal Light」を採用したのは、現行のデバイスの中では見た目も含めて、1番カジュアルで普段の生活でも普通に使えるからです。一般のお客様が「将来、スマートグラスってこうなったらいいな」というイメージに近いものが普及しやすいのではと思います。それと5Gスマートフォンとのコンパニオンデバイスになってるので「5Gだからこういう体験ができる」ということを非常にわかりやすく伝えられるのも、採用した理由のひとつです。

 「HYPER LANDSCAPE」では、スマートグラスをかけて体験が始まってから終わるまでの間にコンパニオンデバイスのスマートフォンも一切使わないし、ユーザーに指で何かの操作をすることをお願いすることも一切ない、完全にハンズフリーな体験になっています。



 「Nreal Light」は、スマートフォンの画面を大きく見るためのミラーリングド・グラスではなく、ユーザーがつけて歩いたという情報をトラッキングできる仕組みのため、現実世界とシンクロしたコンテンツを楽しむことができることも強みです。なおかつ、普通のメガネのような見かけであることもポテンシャルとしては大きいと思います。

 また、今回はKDDIの研究技術で今いる場所や向きを正確にトラッキングして、サーバーで描き出したフォトリアルなコンテンツを場所に合わせてARで表示しています。これは5G端末と「NrealLight」の組み合わせでしか作れない体験の象徴的な事例になると思っています。

 「NrealLight」は昨年12月に国内でも一般向けに販売開始いたしましたが、視力矯正用のアタッチメントを入れることもできるので、メガネをかけている人でも、普段と変わらない感覚で使うことができます。将来的には本体がもっと軽くなったり、視野角がもう少し広くなっていったり、あとは昼間でも明るさが保てるようになっていくと、「au VISION STUDIO」が掲げているテーマの実現もより近づいてくると思います。デバイスの進化も今後何年間の間で大きなブレイクスルーが起こるはずです。

ーー 今後、どんなクリエイターとコラボレーションしていく予定があるのでしょうか? 

水田:これまでの取り組みの中で横のつながり自体は広がってきているので、こちらからどういう方と一緒にやりたいというよりも、“どんな課題があって、それを解決するにはどういう方と取り組むのが向いているのか”を念頭に置きつつ、でも最後は良いものを作っていけそうなフィーリングを重視する気がします。一緒に取り組んだ成果が、そのクリエイターの名刺がわりになっていくようなものになればうれしいですね。

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au VISION STUDIO

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