子ども向けゲームアプリが賭博サイトへの“秘密の入り口”に
アプリデベロッパーのKosta Eleftheriou氏は、App Storeで公開されていた子ども向けゲームアプリ「JungleRunner2k21」が、賭博サイトへの“秘密の入り口”として利用されているのを発見した。同アプリは現在削除されている。
サイトに入るのに課金やパスワードなどは必要なく、VPNをトルコに切り替えてから再度立ち上げると、オンラインカジノに繋がるようだ。
ただしこれが必ずしも違法であるとは限らない。App Storeのポリシーでは、ギャンブルが合法な国に限り、ギャンブルアプリの公開を許可しているからだ。おそらくこのアプリの開発者も、IPアドレスを確認しているから合法だと主張するだろう。
それでもEleftheriou氏は、このアプリが詐欺を行っている可能性が高いとしている。削除される前に確認されたレビューには、「当選金の支払いのため高額なデポジットを支払ったが、当選金が支払われることはなかった」などと記載されていたという。これまでにいくら騙し取ったかは定かではないが、かなり大きな金額となるかもしれない。
さらに同アプリは、メディア『CNNトルコ』で紹介されたかのような偽の広告を打っており、ほとんど黒に近いように見える。
The developer uses shady ads to attract unsuspecting users, pretending the app was featured on CNN Turk. pic.twitter.com/zbuddS8Jrf
— Kosta Eleftheriou (@keleftheriou) April 15, 2021
しかし開発者はアプリ内課金機能を利用しておらず、ウェブサイトでも運営が可能な賭博サイトを、なぜApp Storeで公開したのだろうか。
Eleftheriou氏は、 Appleが声高に主張する“セキュリティ”や“プライバシー保護”を利用したものと考察している。App Storeの審査を過信した、危機意識の低いユーザーを狙っているというのだ。
同氏は、偽の星5のレビューや、詐欺アプリが横行するApp Storeにおいて、審査はすでに機能していないと批判した。しかし同社は最近、Epic Gamesとの法廷闘争の中で、裁判所に「Appleは、アプリが公開される前に厳格な審査を実施している」と述べたばかりだ。
一部からは審査が厳しすぎるという声も聞こえる中、ポリシーの隙をついた詐欺アプリも横行しており、Appleはその間で板挟みとなっているようだ。
(画像=Twitterより)
■堀口佐知
ガジェット初心者のWebライター兼イラストレーター(自称)。女性向けソーシャルゲームや男性声優関連の記事を多く執筆している。
〈Source〉
https://www.theverge.com/2021/4/15/22386533/ios-app-scam-jungle-runner-magical-forest-apple-kosta
https://twitter.com/keleftheriou/status/1382750329972805633