Facebookがオンラインデートアプリをテスト中? コロナ禍でも大きく成長する市場に対応か

Facebook、オンラインデートアプリをテスト中?

 世界がコロナ禍に見舞われて1年以上が経過したが、コロナ禍はアプリの利用方法にも影響を及ぼした。影響を受けたアプリジャンルのひとつとして、マッチングアプリがある。リアルに会うのに制限があるなか、マッチングアプリはオンラインデート機能を実装して変化に対応した。こうした変化は、世界最大のSNSにも押し寄せている。

4分のデートの後は10分に

 テック系メディア『The Verge』は13日、Facebookがオンラインデートアプリ「Sparked」をテスト中であることを報じた。同社はすでにマッチングサービス「Facebook Dating」を運営しているが(2021年4月時点で日本はサービス非対応)、このサービスはユーザどうしがリアルに会うことを前提として開発されたものだ。対してSparkedは動画での出会いを重視したものとなっている。

 Sparkedの利用を開始すると、まず同アプリの利用目的を文章で入力することになる。この文章は、運営元の人間スタッフによってレビューされる。このプロセスは、マッチングに関わるトラブルや犯罪を予防することが狙いである。同アプリが利用可能となると、4分間の短い1対1のオンラインデートを複数のユーザと繰り返す。その後、お互いに気に入ったユーザどうしは10分間のオンラインデートに進む。そして、10分のデート後にはお互いの連絡先を交換できるようになる。

 Sparkedで4分間のショートデートを体験する前に、ユーザはデート相手の性別を選択する。この選択肢には男性と女性のほかに、ノンバイナリーやトランスジェンダーも含まれているので「性の多様性」が確保されている(下の画像参照)。

 『The Verge』がFacebookにSperkedについて問い合わせたところ、同アプリの存在を認め、現在は「小規模なベータテスト中」と回答した。しかし、具体的なリリース時期は不明であり、日本で利用可能となるかどうかもわからない。

Tinderはコロナ禍で1日に30億回スワイプされた

 以上のようなFacebookのSparkedは、オンラインデートアプリとしてはかなり後発である。アメリカでは2019年に2分間のスピードオンラインデートができるアプリ「The League」が登場し、2020年になってコロナ禍に見舞われたことによりリアルな出会いが困難になったことを契機として、多数のマッチングアプリにオンラインデート機能が実装された。

 世界最大級のマッチングアプリTinderは、昨年4月頃には1対1のビデオ通話機能を実装してコロナ禍に対応した。こうした対応の結果、経済系メディア『MarketWatch』が2020年8月に報じたところによると、2020年第2四半期におけるTinderの利用者数が前年同時期比11%増で1,000万人を超え、収益も前年同時期比で15%増であった。

 Tinderを運営するMatchは、2020年における同アプリの利用実態をまとめたレポートを公開している。そのレポートは、昨年の同アプリの使われ方が異例であったことを伝えている。例えば、同アプリにおいて相手が気に入るかどうかをジャッジする操作であるスワイプに関して、2020年3月29日の1日だけで30億回を突破した。また、英語で『あつまれ どうぶつの森』を意味する「AC」(英語タイトルは「Animal Crossing」)という単語の利用が、2020年末には同ゲームリリース時の30倍に達した。この結果は、Tinderでマッチングした後、あつ森でいっしょにプレイすることが定着したのを意味している。

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