『ポケモン GO』のタッグが共同開発  『ピクミン』起用の最新作は“ジャンルに吹くコロナ禍の逆風”を乗り越えられるか

『ピクミン』版ポケGOは“逆風”を越えるか?

「外出」と「移動」を要するゲーム性には、健康課題に寄り添う側面も

 一方で、ゲームカルチャーには、コロナの二次的な健康被害から私たちを守る役割も認められつつある。日常生活の変化などによるストレスを、家にいながらにして発散できる可能性を持つためだ。外出や移動といった軽度の運動をともなう「AR・位置情報ゲーム」の分野であれば、精神面だけでなく、身体面での健康課題にもアプローチできるだろう。もし前項で示した“逆風”を解決できるのであれば、むしろ“いまだからこそリリースされるべきタイトル”とも言い換えられるのではないだろうか。

 『Pokémon GO』の運営を通して、こうした同分野の持つメリット・デメリットに向き合ってきたはずの任天堂とNiantic。2021年が『ピクミン』シリーズにとって20周年のアニバーサリーイヤーという背景もあるだろうが、そこに勝算がなければ、今年リリースの決断には至らなかったと信じたい。

 「スローライフ」がトレンドジャンルのひとつに数えられる時代。『Pokémon GO』の後継である『ピクミン』起用の最新作には、さまざまな可能性が秘められていると言えそうだ。

■結木千尋
ユウキチヒロ。多趣味なフリーライター。
執筆領域は音楽、ゲーム、グルメ、テクノロジーなど。カルチャー系を中心に幅広いジャンルで執筆をおこなう。
人当たりのいい人見知りだが、絶対に信じてもらえないタイプ。Twitter:@yuuki_chihiro

©2021 Niantic, Inc., Pikmin and Mii Characters / Artwork / Music Copyright © 2021 Nintendo All Rights Reserved.

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