『ポケモン GO』のタッグが共同開発  『ピクミン』起用の最新作は“ジャンルに吹くコロナ禍の逆風”を乗り越えられるか

『ピクミン』版ポケGOは“逆風”を越えるか?

 任天堂株式会社とNiantic, Inc.は3月23日、ARモバイルアプリを共同開発する新プロジェクトが進行中であることを発表した。プレスリリースによると第1弾のサービスは、「歩くことを楽しくする」をテーマに据えた『ピクミン』起用のタイトルになるという。

 2016年には『Pokémon GO(ポケモン GO)』を共同開発し、世界中を席巻した両社のパートナーシップ。今回発表された新タイトルもまた、一大ムーブメントを巻き起こすのだろうか。

 本稿では、「AR・位置情報ゲーム」の分野を取り巻く環境から、任天堂・Nianticが2021年後半に送り出す最新モバイルアプリの可能性を探っていく。

Google傘下から社会現象の立役者に。『Pokémon GO』開発・Nianticの10年

 Niantic, Inc.(以下、Niantic)は、ARや位置情報を用いたゲームの制作を専門とするアメリカの企業だ。2010年、『Google Earth』の開発に携わったメンバーを中心に、Googleの社内スタートアップ『Niantic Labs』として同社は設立された。

 Nianticの名が世に知られる転機となったのは、2012年11月、彼らの2作目にあたるサービス『Ingress』をリリースしたことだった。位置情報を活用した陣取り形式のモバイルアプリである同タイトルは、そのユニークなゲーム性からアンダーグラウンドでじわじわと支持を広げ、(ユーザーの間ではまだ無名に近かった)Nianticの名を“注目のディベロッパー”の地位にまで押し上げた。当初はAndroid限定のアプリとしてリリースされた『Ingress』だが、やがて対象プラットフォームをiOSにも拡大。この成功が影響してか、彼らは2015年8月にGoogleからの独立を果たしている。

 このようにして順調に成長してきたNianticは、独立直後の2015年9月、世界で社会現象を巻き起こすことになるアプリのプロジェクトへと参画した。『Pokémon GO』である。

 任天堂や株式会社ポケモンとのパートナーシップにより開発が進められてきた同タイトルは、2016年7月のサービス開始以降、世界各地で反響を呼び、フリークならずとも誰もが知るモバイルゲームとなった。その成功の陰に、Nianticが培ってきた知見があったのは間違いないだろう。

 『Pokémon GO』のリリースから5年。ふたたび任天堂とのタッグで世に送り出されるタイトルが、今回発表となったモバイルアプリということになる。

コロナ禍によって軌道修正を強いられた「AR・位置情報ゲーム」の分野

 任天堂の人気シリーズ『ピクミン』の世界が作品背景へと起用されたことで、さらに話題性を増している感のある今回の発表だが、2021年後半のリリースを目指すにあたり、懸念点がないわけではない。とりわけ最大の課題と考えられているのが、「AR・位置情報ゲーム」の分野とwithコロナ時代の“相性の悪さ”に関してだ。

 『Pokémon GO』『ドラゴンクエストウォーク』に代表される同分野のアプリでは、「歩くことをテーマにし、特定のスポットに物理的に近づくことで恩恵を受けられる」という性質上、自宅で人と接することなくゲームを楽しみ切ることが難しい。「不要不急の外出をしないこと」「密集・密接のシーンをつくらないこと」が断続的に求められているコロナ流行の時勢においては、逆風としか言いようのない特徴をゲーム性の根幹としているのだ。

 こうした持続的な課題に対し、両タイトルは、大規模イベントの中止・スポットへのアクセス範囲の拡大化などで対策を施してきた。しかし、コロナ禍が終息していない現状、根本的な解決をした、とは言い難い状況が続いている。

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