『今日好き 卒業編2021』最終話ーーけいしが最後に選んだのはあやの?まり?
そしていよいよ、運命の告白に。最初の告白は、あきら(古野あきら)からなる(山田なる)に。残念ながら、かのん(比屋根香音)は選ばれなかった。あきらは先ほどの“最後のアピールタイム”で、なると横並びではなく向き合う形で恋人繋ぎをするという密着度合いを披露。旅の最終日を迎えて「オレら終わらないけどね」とキザに振る舞い、ロケ地の結婚式場を見て「あそこで結婚式したいな、なるちゃんと」と精一杯の背伸びで頑張り続けてきた。一方のなるは、旅の途中で「気になる人はいない」と頭を悩ませてきたが……。
あきらの告白は「楽しかった想いを、ずっとずっと隣でしていたいです。それで、さっき手を繋いだ続きもこの後、抱きしめてしたいです。大好きです」というもの。しかし、なるは「いまの私じゃ、あきらの気持ちに応えられないです」と、彼の好意に追いつけない自分に引け目を感じてしまったようだ。結果はカップル成立ならず。それでも「楽しかったね」と、笑いながら泣き崩れてしまうあきらには、最後まで溢れ出す人間味を感じてしまった。
続いて、すずか(石川涼楓)に告白するはると(飯泉遥斗)とりょうた(流稜太)。「高校生最後の恋、すずかと出会えて、すずかを好きになれて本当に幸せでした。大好きです」というはるとに対して、りょうたも「すずかちゃんのことがめっちゃ好きで、めっちゃめっちゃ大好きで、オレはすずかちゃんをこれから365日、絶対に幸せにする」と、止めどない愛情を言葉にのせる。そんな2人を前に、迷いに迷いを重ねるすずか。まずは、はるとに対してこれまでのアプローチに感謝を示しながらも、「ごめんなさい」と一言。続けてりょうたには、その場に残ることを願う。これまでの『今日好き』にはない初の展開だが……。
すずかはここで、りょうたの毎回のサプライズに喜びながらも「でも、さっき告白を聞く直前までずっと迷ってて」という気になる“でも”が登場する。それでも「りょうたくんだったら、これから自分のなかで不安なこととかを消してくれるかなって」「こんな私でよかったら宜しくお願いします」と、彼の一途さが道を開き、見事にカップル成立! すずかも返答の途中から嬉し涙を流し、りょうたもまた「めっちゃ好きー!」と有頂天に。それでも、告白後にはお互いに手の震えを共有したりと、最後まで本当に結果が読めなかったようだ。
そして、よしきが雨の降りしきるなか、あやのに想いを伝える。告白の言葉は「次は僕が絶対に、あやのちゃんを幸せにします。笑顔にします。付き合ってください」。それでも、あやのは「待ってた人がいたいので、ごめんなさい。今日までありがとう」と、深々と頭を下げた彼の手を握ることはなかった。よしきの別れの言葉は「最後に笑顔見れてよかった、バイバイ」と、彼女の幸せに想いを託す。最後まで、よしきは自分を貫き通した。
いよいよ、告白はけいしの番に。その足が向かうのは、あやのか。それともまりか。緊張の時間が続き、けいしが呼んだのはーー「あやのちゃん!」。あやのの想いが、ついに実を結ぶ時が来た。先ほどの2ショットでは、あやのが『金木犀編』の頃のような表情を見せていたが、今度はけいしが本来の“熱血爽やかボーイ”な姿を取り戻す。けいしといえば、海。海に向かって「今回、めっちゃ悩んだけど、オレは、あやのちゃんが、好きでーす! オレと付き合ってください! お願いします!」と爽やかに絶叫し、見事にカップル成立を果たした!
「ごめんね、待たせてごめん。マジ大好きだから」と、これ以上ないくらいに抱き合う2人。まさか、あやのが結ばれる姿を『今日好き』で観られるとは。よしきから託された想いも、決して無駄にはならなかった。けいし、あやの、おめでとう!
様々な恋心が交錯した今年度の『今日好き』。特に、よしき×けいし×あやの×まりの4名が織り成した恋のドラマは、昨年の『夏空編』から続く密度の濃い時間を凝縮し、『今日好き』が描くキラキラと輝く笑顔と涙の縮図のように思えた。高校生活最後の恋として、各々の想いを清算した『卒業編2021』メンバー。彼らはもちろん、これから旅に参加するすべてのメンバーの恋がどんなに儚いものだとしても、それをずっと応援したいと改めて実感するワンシーズンだった。
■一条皓太
出版社に勤務する週末フリーライター。ポテンシャルと経歴だけは東京でも数少ないシティボーイ。声優さんの楽曲とヒップホップが好きです。Twitter:@kota_ichijo