コントと現実が融合する『ジャルジャルアイランド』 ジャルジャルがキャラクターを“存在させる”ことができる理由

コントと現実が融合『ジャルジャルアイランド』

 そしてそれは、相手が誰であっても変わらない。例えば、昨年11月に放送された『ジャルジャルンルン気分』で登場した「ジュン&トクコ」。彼らの番組「しりとりトークSHOW りんごりらっぱいん」のゲストとしてBiSH・モモコグミカンパニー、ヤバいTシャツ屋さん、JO1・河野純喜、松本穂香、YOASOBIといった名だたる「本物の」芸能人を招いてトークをするのだが、1ミリも「素」を見せず、どんなイレギュラーな場面が起こっても2人はジュンとトクコであり続ける。

 そう、このチャンネルの最大の魅力は、他者を巻き込む力にある。芸能人とのコラボだけでなく、ジャルジャルのネタサロン「ジャルジャルに興味ある奴」の会員をコントに出演させたりと、コントの世界観はいっさい崩すことなく、現実世界とジャルジャルアイランドが完全に融合している。冒頭でも書いたように、徹底して自分たちの存在を消しキャラクターになりきるジャルジャルにしかできない、唯一無二のコンテンツだ。

 最後に「リモートコント」の素晴らしさについても言及しておきたい。いち早くリモートでのコントをアップしていたジャルジャル。前述したようにネタサロンの会員との大人数コントや画面分割を利用したコントなどリモートでしかできないネタに数多く挑戦しており、そのどれもが異次元の面白さを誇っている。特に「リモート面接でたぶん寝転んでる奴」は空間を平面でなく立体的に捉えてるからこそできる天才の発想。サムネイルの時点で一生笑っていられるほどの破壊力を誇る傑作コントなので、ぜひ体感してもらいたい。

リモート面接でたぶん寝転んでる奴

 ジャルジャルが築くこの島がどこまで大きくなっていくのか、これからも目が離せない。

■かんそう
1989年生まれ。オールジャンルミクスチャーブログ『kansou(king and soul)』を運営。記事によって変わるテンションの落差に困惑の声多数。『QJWeb クイック・ジャパン ウェブ』『SUUMOタウン』『We Love Expedia』などでも執筆。

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