中国の検索大手BaiduがEV開発に参入 Geelyと提携し新会社を設立

中国の検索大手BaiduがEV開発に参入

 中国の検索エンジン最大手Baidu(百度)と自動車メーカーGeely(吉利)は戦略的パートナーシップを締結し、独立した電気自動車(EV)会社を設立することを発表した。

Baiduがテクノロジー、Geelyが車体製造を担当

 Baiduが自動車のソフトウェアやテクノロジーを受け持ち、GeelyがEVの車体設計や製造を行うと『CNBC』は報じている(参考:https://www.cnbc.com/2021/01/11/chinese-search-giant-baidu-to-create-an-electric-vehicle-company.html)。

 新会社の多数株主になるBaiduは、以前から自動運転に積極的に取り組んでおり、すでに北京での公的なrobotaxi試験で、Apolloという自動運転車ソフトウェアをテストしている。

 Baidu創設者のRobin Li氏は「中国は世界最大のEV市場になりました。EVの消費者は次世代の自動車にもっとインテリジェントなものを求めています」と述べる。

広告依存を脱却し多角化への布石

 Baiduは過去10年間、中国のインターネット検索市場で支配的な位置にあるが、検索広告収入に依存しており、EV開発は事業を多角化させる一環だと『TechCrunch』は伝えている(参考:https://techcrunch.com/2021/01/10/baidu-electric-car-making/)。

 Baiduは、ByteDanceのニュースアプリ・Toutiao(今日頭条)やショート動画アプリ・Douyin(抖音)といった独自の検索機能を持つ新興勢力の激しい突き上げにあっている。展開の速いテクノロジー業界では、どんな大手企業も、いつまでも安泰とは言い切れない。革新の手を緩めた途端に下克上が起こる世界だ。

 Robin Li氏は「インテリジェント・ドライビングの未来を長い間、信じ過去10年間、世界クラスの自動運転サービスのポートフォリオを構築するためにAIに多額の投資を行ってきました」と述べる。検索エンジンでは、絶え間なくAIが鍛えられるため、そのノウハウを自動運転技術にも応用できる。

 そして「スマート・トランスポーテーション、コネクテッドカー、自動運転に関するBaiduの専門知識と、自動車・EV大手メーカーGeelyの専門知識を組み合わる新たなパートナーシップにより、将来の乗用車への道を開くと考えています」と続ける。

 例えるならGoogle系のWaymoの中国版といったところだろうか。Googleも長らく多角化への道を模索しているが、収益構造は現在でも広告収入に大きく偏っている。

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