メタボ解消の救世主? SNSでバズったシャープ初のスマートウォッチ、本当にカロリー計測できるか試してみた

シャープ初のスマートウォッチ確かめる

 腕につけているだけで、体に吸収されたカロリーを自動で記録してくれる。発表当日に筆者がXで投稿したところ、そのユニークさが大きな話題になったのがシャープ初のスマートウォッチ『からだメイト Watch』だ。

 食事の写真を撮ったり、アプリへ食べたものを入力したりする必要はなく、装着しているだけで摂取カロリーを記録してくれる。ダイエットや健康管理をしている人なら、気になる製品ではないだろうか。

 発表直後からは、「こんな機能を待っていた」と期待する声が上がる一方で、「本当に計測できるの?」と半信半疑の声も少なくない。

 そこで今回は、シャープから実機を借りて約2週間試してみた。入浴時など除き、基本的には常に腕へ装着したまま生活し、摂取カロリーがどのように記録されるのかスマートウォッチとしての使い勝手はどうなのかをチェックした。

『からだメイト Watch』はどんなスマートウォッチ?

からだメイト Watch

 『からだメイト Watch』は、シャープが新たに立ち上げたウェアラブルブランド「からだメイト」シリーズの第1弾となるスマートウォッチで価格は5万9400円(税込)。

 話題になった理由は、食べたカロリーを自動で記録できるから。装着したまま生活しているだけで、食事から摂取したカロリーを推定して記録してくれる。さらに、水分バランスも自動で確認し、不足していると「水分をとりましょう」と通知してくれるため、暑い時期の熱中症対策にも役立ちそうだ。

水分バランス低下と出ている

 これらの機能には、米HEALBE社の「FLOWテクノロジー」が採用されている。摂取カロリーは、食べ物や飲み物が消化・吸収される過程で起こる細胞外液の変化を、生体インピーダンスセンサーで測定して推定する仕組みだ。

 そのため、食べてすぐに結果が表示されるわけではない。一般的には食後5〜9時間ほどかけて栄養が吸収されるため、実際に記録へ反映されるまで半日近くかかることもある。食事の内容によっては10時間以上かかるケースもあるという。

 シャープによると、摂取カロリーの推定精度は約89%。もちろん実際に食べたカロリーを直接測定しているわけではないが、日々の摂取量を把握するための目安として活用できるとしている。毎日の食事を細かく記録するのが面倒な人や、ダイエット中で摂取カロリーの目安を知りたい人に向いている製品と言えそうだ。

取り外した様子

 デザインはかなりオーソドックス。約1.32インチの円形OLEDディスプレイを採用しており、一見すると普通の腕時計にも見える。ビジネスシーンでも違和感なく使えるデザインだ。

 厚さは最も厚い部分でも11.9mm、重量は約33g。実際に数日装着してみても、重さが気になることはほとんどなかった。ケースにはステンレス素材が使われており、質感も悪くない。価格帯を考えても安っぽさは感じなかった。

装着の様子

 バンドはさらっとした肌触りで、汗をかいてもベタつきにくい。試用期間中には35度に近い気温の中で活動する機会もあったが、大量に汗をかいても不快感はほとんどなく快適に装着できた。

 防水・防塵性能はIPX8/IP6Xと5ATMに対応。急な雨程度なら気にせず使えるほか、国内メーカー製の家庭用泡ハンドソープで洗えるので、汗や汚れを気軽に落とせるのも嬉しい。

リューズやサイドボタン

 物理ボタンはリューズとサイドボタンの2つ。リューズは1回押しでメニュー表示、2回押しで登録したショートカットを起動できる。サイドボタンもショートカットに割り当てられるため、よく使う機能を登録しておけばすぐにアクセスできて便利だ。

 スマートフォンの通知表示にも対応している。電話やメッセージが届くと振動で知らせてくれ、送信者やメッセージの冒頭くらいまでは確認できる。ただし長文は途中で省略されるので、返信まで完結するというよりは「通知に気付くための機能」と考えたほうがよさそうだ。

朝・昼・夜の食事から飲み会まで、ちゃんと記録されていた

先日の飲み会の締めに食べた豚骨ラーメン
先日の飲み会の締めに食べた豚骨ラーメン

 やはり一番気になっていたのは、摂取カロリーが本当に計測できるのかという点だ。

 約2週間装着して生活してみたところ、食後すぐではなく、数時間から半日ほどかけて摂取カロリーが少しずつ記録へ反映されていくのが確認できた。シャープの説明どおり、食事をした直後に急に数値が増えるわけではなく、栄養が体へ吸収されるタイミングに合わせて記録されるようだ。

アプリに表示されている画面

 たとえば7月31日の記録を見てみよう。この日は8時頃にトーストを2枚、12時頃に冷やし中華を1人前、17時頃にサラダやピンチョスのようなフィンガーフードを少しつまんだ。その後、20時頃から飲み会に参加し、お酒や料理を楽しんで22時頃に帰宅している。

 実際のグラフを見ると、それぞれの食事から2〜3時間ほど経過したタイミングで摂取カロリーが反映されていた。さらに、飲み会のあとにはグラフが大きく伸びており、高カロリーな食事やお酒、締めのラーメンなど、たくさん食べ飲みしたことがしっかり反映されているように見える。

 帰宅後は入浴してそのまま就寝したが、翌日8月1日の記録を見ると、0〜2時頃にも摂取カロリーが増えていた。寝ている間も消化・吸収が続き、その分が後から記録されていることがわかる。

 もちろん、食べたものを直接計測しているわけではなく、生体データから推定しているため、実際の摂取カロリーと完全に一致するとは考えないほうがいい。それでも、何も入力せずに日々の摂取カロリーがおおよそ見える化される体験は新鮮だった。

 筆者はこれまでカロリー管理アプリを何度か試したことがあるが、食事のたびに入力するのが面倒で長続きしなかった。その点、『からだメイト Watch』は腕に着けているだけなので、記録を意識する必要がほとんどない。この手軽さは大きな魅力だと感じた。

睡眠や歩数も賢く計測し、精度も十分

心拍数表示

 カロリー計測以外にも、『からだメイト Watch』は水分バランスや睡眠、歩数、心拍数、ストレスレベル、皮膚温度などを自動で記録してくれる。

 普段から装着しているスマートウォッチやスマートリングと比較したところ、睡眠時間や歩数、心拍数、皮膚温度は概ね近い結果になっていた。なお、血中酸素レベルは手動測定には対応しているものの、自動測定には対応していない。

睡眠時間 アプリ画面

 睡眠計測については、期待以上の出来だった。例えば8月1日の記録を見ると、夜中にトイレへ行ったり、水を飲みに起きたタイミングで計測が一度途切れ、また寝始めたタイミングで計測が再開されている。

睡眠時間 アプリ画面

 また、8月2日はアラームで一度起きたあと二度寝してしまったのだが、その分は「仮眠」として別に記録されていた。実際の行動と見比べても、おおむね正しく計測できているように思う。

ウォーキングで装着

 エクササイズ機能は、自動検出機能が便利だった。筆者の自宅は駅から少し離れたところにあるのだが、歩き始めてしばらくすると「運動していますか?」という通知が表示され、そのままワンタップでエクササイズの記録を開始できる。

 しかも、通知が表示されたタイミングから記録するのではなく、歩き始めた時点まで遡って運動時間を記録してくれる。スマートウォッチによっては、通知に気付くまでの数分が記録されないこともあるが、『からだメイト Watch』ではその心配がないため、普段からウォーキングをする人にとっては使い勝手の良い仕様だと感じた。

 記録したデータは「からだメイト」アプリで確認できる。摂取カロリーだけでなく、水分バランスや睡眠、歩数などもまとめて表示されるため、日々の体調を振り返りやすい。

「本当に計測できる?」2週間試して見えた答え

アプリ画面とスマートウォッチ

 『からだメイト Watch』を約2週間使ってみたところ、食事をしたタイミングとグラフの変化には一定の相関が見られた。少なくとも、「本当に計測できるの?」という疑問に対しては、「計測はきちんと行われている」と答えてよさそうだ。

 食べたものを直接計測しているわけではないため、表示される数値が実際の摂取カロリーと完全に一致しているかを判断することはできない。ただ、食事をしてから数時間後にグラフが変化したり、高カロリーな食事をした日は大きく数値が伸びたりと、シャープが説明している計測の仕組みと実際の挙動は概ね一致していたように思う。

 何より便利だと感じたのは、「記録しよう」と意識する必要がないことだ。筆者のように、カロリー管理アプリは入力が面倒で続かなかったという人も少なくないだろう。その点、『からだメイト Watch』は腕につけて普段どおり生活するだけでデータが蓄積されていく。この手軽さは大きな魅力だった。

 もちろん、「今日は○○kcal食べた」といった正確な数字を知るための製品ではない。あくまで日々の摂取カロリーや生活習慣を把握するための目安として活用するデバイスと考えるのがよさそうだ。

 睡眠や歩数、エクササイズの自動検出なども含め、健康管理を無理なく続けるための機能はしっかり揃っている。毎日の健康管理を少しでもラクにしたい人や、食事記録が面倒で続かなかった人にとって、『からだメイト Watch』はこれまでになかった選択肢になりそうだ。

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