ゲーム好き少女が登録者数100万人超えの実況者へ TAMAchanが「自分らしさ」を捨てない理由

親子二世代から絶大な支持を集める、ゲーム実況クリエイター・TAMAchan。ゲーム実況界では珍しく活動初期から“顔出し”を続け、絶叫リアクションと飾らないキャラクターで、登録者数100万人を超える人気クリエイターへと成長した。
一方で、TAMAchan自身のパーソナルな部分について語られる機会はあまり多くはなかった。だが、今年8月に『にゃ~るぴぃじぃ! TAMAchan公式ファンブック』が発売。本書には、これまでの歩みや、実況部屋、カメラロールまで、等身大のTAMAchanが凝縮されている。
今回はその発売を記念し、ファンブックの見どころはもちろん、登録者数100万人に至るまでの道のりや、“顔出し”というスタイルを貫く理由、活動の裏で感じていたリアルな心情まで、TAMAchanの思いと覚悟を聞いた。(はるまきもえ)
夢のない時代から、唯一無二の存在へ

ーーTAMAchanさんは、いつからゲームが好きだったのでしょうか。
TAMAchan:物心ついたときからですね。私は4人兄弟の3番目なんですが、兄弟みんなゲームが好きで、自分も気づいたらコントローラーを握っていました(笑)。
ーー当時はどんなゲームで遊んでいたんですか?
TAMAchan:兄弟でよく遊んでいたのは、『あつまれ!!メイド イン ワリオ』です。あとは、父がプレイしていた「クラッシュ・バンディクー」シリーズもよく遊んでいました。これはけっこう鬼畜ゲーなんですけど、子どもながらに「クリアするまでやりたい!」と、何度も挑戦していました。結局全然クリアはできなかったんですけどね(笑)。
ーーそのころからゲームに向いた性格だったんですね。そこから、どのようにして実況者になったのでしょうか。
TAMAchan:高校卒業後はフリーターで、とくにやりたいことがなかったんです。でも、ポッキーさんやキヨさんの実況動画はずっと見ていました。そのとき、知り合いに「自分でもゲーム実況やってみたら?」と言われたんです。将来の夢が明確にあったわけではないんですけど、唯一興味があった「ゲーム」が、最初の一歩になりました。
ーーTAMAchanさんといえば、活動当初から一貫して“顔出し”でゲーム実況をされていますよね。なぜ、顔出しで活動をすることにしたのでしょうか?
TAMAchan:どうせやるなら、唯一無二の存在になりたいと思ったんです。いまでも、ゲーム実況者で顔出しをして活動している人って、本当に少ないんですよね。自分のビジュアルに自信があったからというわけではまったくなくて、単純に「そのスタイルの人がいるか、いないか」で決めました。
ーーしっかりと設計された上での決断だったんですね。
TAMAchan:ただ、過去に一度だけ顔出しを辞めた時期があったんです。
ーー何か理由があったのでしょうか?
TAMAchan:そのころ、VTuberさんがすごく流行り始めた時期で。ゲーム実況をするにも、立ち絵やキャラクター姿で配信をしている人がすごく多かったんです。
それに、顔出しをしない方が撮影は圧倒的に楽なんです。顔出しで撮影をするときは、メイクやヘアセットにも時間がかかるし、照明に当たり続けるので長時間の撮影が厳しく、動画のストックも作りづらいんです。でも顔出しをしなければ、どんな格好や姿勢でも撮れるので、実際やってみて「これはすごく楽だな」と感じました。
でも、その一方で「私らしさって何だろう」と考えるようになったんです。楽に撮影できることよりも、視聴者様が求めてくれている自分でいたい。なので、本来のスタイルである顔出しで活動を続けることに決めました。
実況スタイルが“ブレない”理由
ーーチャンネルの数字が伸びたのは、どのタイミングでしたか?
TAMAchan:活動を始めて1年後くらいに投稿した、「【あつ森実況】フレッシュマスカッ島生活1日目」という動画です。
ーーなぜ、その動画がヒットしたのですか?
TAMAchan:ちょうどコロナ禍で、YouTubeを見る人が増えていた時期だったんです。あとは『あつまれ どうぶつの森』が発売されて、「島クリエイト動画」が大ブームでした。私も島づくりメインの動画を投稿していたので、そこで一気に見てくださる方が増えたのかなと思います。
ーーいろんなタイミングが重なり、ヒットしたんですね。そこからどのように、ファンの方を定着させることができたのでしょうか。
TAMAchan:「島クリエイト」の動画って、解説をメインにしている人が多いんです。でもそれだと、みんな「島クリエイト」だけを見に来てしまうので、私はその前後に住人と会話を楽しむシーンをしっかり入れました。「島クリエイト」をしながらも、自分自身のキャラクターを視聴者様に伝えることを、かなり意識していましたね。
ーーゲーム実況者としては重要な視点ですよね。ゲームだけに注目されていたら、配信するゲームが変わると視聴者が離れてしまう可能性もあります。
TAMAchan:そうなんですよね。“ゲーム”自体に依存させないことは、いまもかなり意識しています。
ーー2026年2月にはチャンネル登録者数100万人を突破しました。昔に比べて、心境の変化はありますか?
TAMAchan:昔は気楽に活動していたんですけど、いまは大変だなと思うことが多いかもしれません(笑)。できることが増えて楽しいんですけど、楽しい上での大変さを感じています。
ーー活動の幅が広がる一方、“個人”で活動しているからこその難しさを感じる場面もあるのでしょうか。
TAMAchan:ひとりだと、どうしても企画の幅が限られるし、嬉しかったことや大変だったことを分かち合える相手がいないのは、少し寂しいと感じることもあります。「仲間がいたらもっと楽しいのかな」と考えたこともありました。
それにいまは、グループで活動している実況者さんも多いですよね。個人で活動していても、定期的にコラボする相手がいる方も多くて、そうした掛け合いを楽しみに見ている視聴者様もたくさんいると思います。
私も仲のいいクリエイターとたまにコラボをすることもありますが、視聴者様が応援してくださっているのは「誰かと活動している私」ではなく、「ひとりで頑張っている私」なんじゃないかな、とも思うんです。だから、いまの活動スタイルは大切にしたいですね。あと、ソロだと視聴者様をひとり占めできる(笑)。視聴者様との距離の近さは、個人で活動しているからこその魅力だと思っています。
ーーTAMAchanさんの視聴者層は、子どもから親世代と幅広いですよね。
TAMAchan:そうですね。リアルイベントも、親子で来てくださる方が多いです。SNSでも「最初は子どもが動画を見ていて、いつの間にか親の私もファンになりました」とメッセージをいただくことがあって、めちゃくちゃ嬉しいです!
ーー動画の魅せ方はどのように意識していますか?
TAMAchan:私も、そういった視聴者様に安心して見てもらえるような動画にしようと思っています。ただ、だからといって教育番組のようにはしたくないんです。自分らしいテンションやキャラクターは大切にしつつ、言葉遣いだけは少し気をつけようかな……と思っています(笑)。
「活動の証」を一冊に すべてを曝け出した初のファンブック
ーー今回は、そんなファンの方に向けた公式ファンブック『にゃ~るぴぃじぃ! 』が発売されます。制作のきっかけはなんだったのでしょうか?
TAMAchan:登録者数が50万人を突破したころから、「いつかファンブックを出したい」と思うようになりました。自分としては、これまでの“活動の証”のような一冊になっています。今回のファンブックは、本を読むのが苦手な人でも見やすいように、写真集と本を掛け合わせたような作り方にしました。
ーーデザインもかなり可愛いですよね。
TAMAchan:RPG風のデザインになっているんですけど、イラストもたくさん入れたり、パッと見たときの色合いもかなりこだわって作りました。あと、このファンブックのために、衣装を11着くらい着て撮影したんです。
ーーそれはすごい……! ほかにも、携帯のカメラロールまで掲載しているのには驚きました。
TAMAchan:幼少期や中学生時代の写真など、これまで公開したことのない写真もたくさん収録しています。ファンブックを通して、動画だけでは見えない私のことを、より深く知っていただけたらと思います。
このファンブックが、読者の方に「読んでよかった」と思ってもらえる一冊になっていたら嬉しいですね。ゲーム実況者を目指している人じゃなくても、誰かにとって挑戦する勇気や、明日を頑張るきっかけにつながればいいなと思っています。
ーーTAMAchanさんが、これから挑戦したいことや夢はありますか?
TAMAchan:活動の幅は、これからもどんどん広げていきたいです。夢のひとつは、大好きなキャラクターとコラボすること。『クレヨンしんちゃん』や『ちいかわ』が大好きなので、いつかご一緒できたらいいなと思っています。あとは声優のお仕事にも興味があるので、ご縁があればぜひ挑戦してみたいです!





















