放送作家・白武ときおが語る“音声メディアの未来”  YouTubeラジオ局『PILOT』立ち上げの意図とは

放送作家・白武ときおが語る“音声メディアの未来”  YouTubeラジオ局『PILOT』立ち上げの意図とは

プラットフォーマーは目指さずYouTubeで面白いコンテンツをつくり続ける

ーーラジオ番組を運営する上でのキャスティングで、白武さんが話を聴きたいと思うのはどんな人ですか。

白武:『(松本人志の)放送室』(TOKYO FM)もずっと聴いていましたし、「この人は何考えているんだろう」と気になるような」哲学とかイズムを感じる人が「誰しもが知っている社会的なトピック」についてどう語るかはとても気になります。ビートたけしさんや松本人志さんのニュースに対する発言や、『東京ポッド許可局』(TBSラジオ)の様々な趣味やバックボーンを持つ3人が、エンタメを一歩引いた目線で社会学論に落とし込んで語り合うのが好きです。世間で巻き起こっている論争に対してどう発言するのか毎週チェックしています。

ーー白武さんのキャスティングにはもう1つ特徴があると思っていて、『PILOT』もそうですが『ザ・ドリームマッチ2020』(TBS)にもあるように「今までなかった人同士の組み合わせで面白いものをつくる」という構成があるような気がします。

白武:そうですね。確かに『ザ・ドリームマッチ』や『ボクらの時代』(フジテレビ)のような掛け合わせや座組みで生まれる面白さは好きです。例えば『PILOT』のAマッソ・加納とヒコロヒーの「レイコーラジオ」でいえば、いま女性芸人が段々とフューチャーされてきているなかで、まだまだアップデートされていないジェンダー観の話で盛り上がっていました。この2人でなければ話せない領域の話などが聞けると「いい掛け算だな」と面白みを感じます。

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ーーラジコやポッドキャスト、YouTubeでのラジオ番組も含めて、現在様々な音声メディアがありますが今後この市場はどうなっていくと思いますか。

白武:「人間には目で見る時間はもう残っていない。次は耳だ」ということをよく聞きます。これから耳で楽しむコンテンツの波がくると。でもぼくはそれに対して懐疑的でして……。アメリカは車文化なのでラジオが根付いていますが、日本ではそこまでだなと。

 続々と音声メディアが立ち上がっていますがプラットフォーマーになるのは難しい。ネットテレビの失敗の歴史をたくさん見てきました。なので僕個人としての考えは、YouTubeという巨大資本のプラットフォームでコンテンツをつくっていくのがいいかなと。使いやすさでも、数多くのサービスのなかではずば抜けていますし、月額会員制などの料金の縛りもなく、配信できるコンテンツの制限もない。ユーザー側もコンテンツを発信する側も利点が多い。新たにサービスを立ち上げて、それが音声メディアの覇権を握ることができればそれに越したことはないですが、持続的なものになるかはわかりません。

ーーYouTube自体は今後どうなっていくと思いますか。例えば、リッチコンテンツが求めら得るようになる中で、有料版のYouTube Premiumはどうなるのか。

白武:YouTube Premiumは便利ですね。バックグラウンド再生をしたい、広告によるストレスをなくしたいと思う人は加入しているかと思いますが、オリジナルコンテンツ目当てで課金している人はまだ少ない印象です。Netflixはオリジナルコンテンツを見たいがために会員になる人が多い。YouTubeも加入したいと思えるようなオリジナル作品をつくることに力を入れていくのではないかと思います。

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