連載:クリス・ブロードの「ガイドブックに載ってない日本」(第0回)
連載:クリス・ブロードの「ガイドブックに載っていない日本」(第0回) 外国人YouTuberである僕が「日本人が見落としている日本の魅力」を伝えるためにできること
自粛していた大型企画も徐々に始動
コロナ禍があり、これまでのように旅をしている姿を見せることがポジティブなメッセージにならないと判断して、過去8ヶ月ほど自粛していました。しかし、日本は徐々に状況が改善されつつあるので、10月から再び、長距離移動を伴う活動を再開しています。
かつて、『Journey Across Japan』と題して、自転車で日本縦断の企画をしたのですが、今回は『Journey Across Japan Escape to Mt. Fuji』という、車で1週間かけて富士山に行くという企画を撮影しています。東京ー群馬ー長野ー富山ー岐阜ー静岡ー東京の順番で回り、7日間連続で動画をアップしていく計画です(https://youtube.com/playlist?list=PLSOR9_iNzVflVY0eQlZY4V0gArxUiOMLR)。
また、自治体とともに青森を宣伝する仕事も始まりました。東北は宣伝を必要としています。海外で売られている日本の観光本には大幅な偏りがあり、東京は30ページで紹介されていても、東北は2〜3ページあればいい……という現状。それを改善するために、私はこれまで精力的に、YouTubeで発信してきましたが、それだけでは足りないと感じています。
私たちが宣伝したからといって、東北が京都や大阪のように観光客でごった返すようなことにはならないでしょう。しかし、たとえ少しだとしても、東北の魅力を知り、足を向けてくれる人が出てくれば、少しずつ状況は変わってくると思うのです。観光地化する以前に、その魅力を正しく評価してもらいたい。
最後に
日本人が見落としている日本の魅力、東北の素晴らしさを伝えること。日本在住、または来日を検討している外国人に、僕の経験からひとつのキャリアパスを示すことーーそれはこの連載の大きなテーマですが、それ以上に、自分が繰り返してきた「失敗」と「成功」の体験を共有することで、読者の方々に伝えられることがあると考えています。
願わくば、現状に不満を持っている人にとって、自分の人生を見つめ直し、今後について考えるきっかけになってほしい。皆さんが少しでも、より良い人生に向かって歩き出す助けになればと考えています。
【第一回:外国人YouTuberの僕が、“奇妙ではない”日本のアイデンティティに惹かれた理由】に続く
■Chris Broad(クリス・ブロード)
30歳、イギリス出身。YouTubeチャンネル「Abroad in Japan」を運営。登録者数250万人。日本を拠点に活動するトップ外国人YouTubeクリエーターとして200以上の動画を制作。東北地方太平洋沖地震に関するドキュメンタリーや、L’Arc-en-Cielのボーカルとして世界中にファンを持つHYDEのソロ活動密着動画など動画のジャンルは多岐にわたり、訪日インバウンド集客から実行まで行うTokyo Creativeと共に、日本各地の自治体や企業向けのコンテンツも制作している。2012年にALTとしてJETプログラムに参加し、英語教師として2,000時間以上を費やした後にフルタイムの動画クリエーターへ。夢はプロのフィルムメーカーになり、チョコレートでできた家を建てること。