Beatsの最新イヤホン『Powerbeats Pro 2』は心拍数モニタリング機能付き。気になる実力をレビュー!

Beatsの『Powerbeats Pro 2』レビュー

 Beatsは、完全ワイヤレスイヤフォン『Powerbeats Pro 2』を2月13日に発売した。カラーはジェットブラック、クイックサンド、ハイパーパープル、エレクトリックオレンジの4色。

 Beatsは、2006年にアメリカ、カリフォルニア州のサンタモニカで誕生したオーディオブランドで、2014年7月にAppleファミリーの一員となったことでも知られている。

 そんなBeatsは、近年アスリートとのコラボレーションも積極的に展開しており、若い層の支持も増えてきているそうだ。オーディオカテゴリーの製品も2年間で5モデルを発売するなど、ラインナップも充実してきた。『Powerbeats Pro 2』は、その中でも重要で先進的な製品になる。

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『Powerbeats Pro 2』は、ジェットブラック、クイックサンド、ハイパーパープル、エレクトリックオレンジの4色展開。イヤーチップはXS/S/M/L/XLの5サイズを同梱している。

Appleファミリーの一員として、多くの知見を活かした製品づくりを実現

 その『Powerbeats Pro 2』は、Appleファミリーの一員としてのメリットを活かした製品づくりが行われているのもポイントだ。アスリートのパフォーマンスを最大限に引き出すためのイヤーフック型イヤフォンとしては、ワークアウトの際の装着性、快適さも重要になるし、バッテリー持続時間も大きな意味を持ってくる。

 それらの問題に対しては、Appleが持つ膨大なデータの蓄積を活用することで最適な解を導き出すことができたそうだ。さらに種信号処理用にApple製H2チップを搭載することで電力効率も大幅に改善、バッテリーの持続時間も向上させている。

 まず装着感については、イヤーフックとハウジングに注目し、人間工学に基づいた設計が行われた。そこではAir Podsの10年分の研鑽結果や、1000人のアスリートを対象にした延べ1700時間のワークアウトのデータも活用しているそうだ。

 従来モデルの『Powerbeats Pro』に対して、イヤーフックは50%小型化、イヤフォン本体も20%軽量化されている。イヤーフックの素材にはニッケルチタン合金を採用、形状記憶で装着の際にひねるなどしても元に戻るので安心だ。またイヤーチップも、XSとXLを加えた5サイズが付属している。

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充電ケースの内側にはイヤフォンを収納するためのくぼみが設けられている。汗や雨で濡れたイヤフォンを収めた際にも、充電用の端子部に水滴がつかないように深さなども配慮されている。

カスタム開発された9.5mmトランスデューサーが、バランスのいいサウンドを再現する

 もうひとつ、ワークアウト時には汗をかくことが想定されるので、イヤフォン本体は耐水特性のIPX4に対応した。ケースに収める際にも充電用の接点が少し高めの場所に来るように(水滴に触れないように)形状を工夫しているそうだ。

 ドライバーユニットは、カスタム開発された9.5mmダイナミック型トランスデューサーで、現行モデルの『Studio Buds +』や『Solo Buds』より大きくなっている。デュアルレイヤー(二層構造)ドライバーを採用し、高域を受け持つ振動板中央部がやや硬めに、周辺部は柔らかくなっているようだ。エッジ部の素材にも配慮することで音の歪みを抑え、優れた音響特性を獲得している。

 ドライバーを駆動するアンプも見直し、周波数レンジの拡大も実現した。音質チューニングは社内のエンジニアが担当し、力強く、エモーショナルな音のバランスを狙っているとのことだ。

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『Powerbeats Pro 2』のパッケージは、管理された森林の再生素材の木材繊維を使用。SDGsにも配慮している。

アクティブノイズキャンセリング機能を、「Powerbeats」シリーズとして初搭載

 フィットネスでも使われることを踏まえ、「Powerbeats」シリーズとして初めてアクティブノイズキャンセリング(ANC)機能を搭載した。MEMSマイク、フィードフォワード/フィードバックマイクを搭載し、ノイズの量に応じて適応的にキャンセリング効果を調整してくれるそうだ。外音取り込み機能も備えており、イヤフォン本体の「b」ボタン長押しでANCと外音取り込みを切り替えられる。

 ANC機能はH2チップで処理しており、1秒間に200回の測定を行っているそうだ。なおBeatsでは製品が求める機能に応じて搭載するチップを選び分けているそうで、『Powerbeats Pro 2』にはH2チップが最適だと判断したという。

 その他、装着時にフィードバックマイクで耳の中の音を測定し、耳の形に合わせて最適な状態に調整するアダプティブイコライゼーション機能(ANC、外音取り込み機能オフ時に動作する)も搭載。さらに加速度センサーとジャイロスコープを使ったダイナミックヘッドトラッキング機能によって優れた没入感を演出し、空間オーディオ(ドルビーアトモス)もより楽しめるとのことだ。

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イヤーチップの後ろ側に心拍数モニタリング用のLEDセンサーとフォトダイオードが搭載されている(左)。充電ケースはUSB Type-Cコネクターとワイヤレス充電に対応済み(右)。

心拍数モニタリング機能搭載で、様々なワークアウト時にも活躍してくれる

 もうひとつ、『Powerbeats Pro 2』は心拍数モニタリング機能も搭載している。イヤフォンは耳に装着するので生体データを取りやすいという特性を活かしたもので、ここでもAppleが所有しているデータ、専門知識を活用して研究を進めたそうだ。

 イヤーピース上部にLEDセンサーとフォトダイオードを内蔵し、毎秒100回以上のパルスを発して血流を測定、iPhoneのヘルスケアや、Nike Run Club、Slopes、YaoYao ジャンプロープといったアプリと組み合わせることで、結果を閲覧できる。ちなみにL/Rのイヤフォンを両方装着することで測定データの精度が向上するという。

 心拍数モニタリングについては、Apple Watchにも同様の機能が搭載されているので、既に愛用している方もいらっしゃるだろう。Beatsによると『Powerbeats Pro2』と『Apple Watch』を両方使っている場合は、『Apple Watch』の心拍数モニタリングのデータが優先されるだろうとのことだった。

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『Powerbeats Pro 2』(左)と『Powerbeats Pro』(右)。充電ケースは約33%の小型化を実現しながら、バッテリー持続時間は大きく伸びている。

優れた音声分離技術により、聞き取りやすい会話性能も実現した

 通話機能は、MEMSマイクとビームフォーミング技術を使って声を収録、加速度センサーでユーザーの声の振動を検知して環境音と区別することで、クリアーな声を再現する。そこではノイズを識別するために8000種類の環境音を分析、声とノイズを分離している。

 iPhoneとの組み合わせでは、iPhone側のニューラルネットワークを使用してより高精度な音声分離を行えるとのことだ(Mac、Apple WatchなどのコンピュテーショナルデバイスでもOK)。

 バッテリー持続時間は本体で最大10時間、ケース併用で最大45時間を実現。ANCや外音取り込み機能をオンにした場合は、本体で最大8時間、ケース併用で最大36時間使える。急速充電は5分で1.5時間の使用が可能。またワイヤレス充電(Qi互換)にも初対応。2時間でフル充電できるそうだ。

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iPhoneとペアリングすると、「設定」画面にPowerbeats Pro用のメニューが現れる。ここでノイズキャンセリングやイヤーチップの装着状態なども確認可能だ。

すっきりしたバランスの良い音で、空間オーディオも臨場感豊かに再現する

 短時間ながら『Powerbeats Pro 2』の音を確認できた(ANCはオフ)。iPhoneとペアリングすると「設定」メニューにPowerbeats Proの設定メニューが出てきて、イヤーチップの状態なども確認できる。専用アプリが必要ないあたり、Appleファミリーらしい。

 Apple Musicでビリー・アイリッシュ「BIRDS OF A FEATHER」を再生すると、リズミカルな演奏の中から彼女のボーカルがきれいに伸びてくる。米津玄師「Lemon」も楽器と声の分離がよく、押しの声を楽しみたいという使い方にも向いているようだ。クイーン「We Will Rock You」では足踏みの低音がすっきりする感じもあるが、逆に低音を欲張ってブーミーにしていないところは好ましい。

 空間オーディオの宇多田ヒカル「One Last Kiss(Live Version)」は会場の響きが思った以上に多く聞き取れて、今までこの曲を聞いた中では一番包まれる感じが楽しめた。これなら、ライブ音源などで空間オーディオを選ぶメリットが感じられるのではないだろうか。

 『Powerbeats Pro 2』はフィットネス用を謳っているが、装着時の快適さやバランスのいいサウンドなど、普段から音楽に親しみたいという方も充分楽しめる製品に仕上がっている。

 なおBeatsでは『Powerbeats Pro 2』の発売に合わせて、大谷翔平、レブロン・ジェームズ、リオネル・メッシの3名が集結した「Listen to Your Heart」キャンペーンを開催する。ぜひ関連リンクの動画もチェックを!

◯参考情報
商品名:ワイヤレスイヤホン
型名:『Powerbeats Pro 2』
価格:3万9800 円(税込)
https://www.beatsbydre.com/jp
https://www.youtube.com/watchv=zR63m0JN5WY

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