『サイバーパンク2077』は“失敗作”なのか? 山積みの問題と強烈な魅力のはざまで考える

『サイバーパンク2077』は「失敗作」なのか?

あくまで”ファースト・インプレッション”として

 ここまで長々と書いてきたが、本作にはまだまだ書き足りないほどの魅力が詰まっており、かつ、プレイ時間65時間程度では分からない部分も非常に多い。物語の序盤から探索可能なワトソンエリアだけでも、未だに散策するごとに新たな発見がある。そもそもメインクエストもまだ中盤であり、各地で実施されている格闘技大会やカーレース対決も全く終わっておらず、まだ両腕からロケットランチャーを放つこともできていない。ロマンスに至ったのは、物語序盤のメインクエストの寄り道で出会ったまさかの人物だけである。そして、遊ぶほどに可能性が広がっていき、面白さが加速していく。

 その背景には、遊べば遊ぶほどにより没頭することができるという、本作の「ロールプレイ」に対する狂気的な執着心がある。サイバーパンクの世界観を実現しながら、隅々まで「生活感」にこだわって作られた広大で複雑なナイトシティ、行動の全てが選択肢となる自分だけの物語、自分にとっての理想を実現出来る自由度の高い戦闘システム、その全てがプレイヤーが思い描く「V」としての「ロールプレイ」のために見事に機能しているように感じられるのだ。

 本作を巡る諸問題については、今後は1月、2月とアップデートによる改善が予定されており、いつかはきっと誰もが本作を楽しみ、作品が正当に評価される日が来るだろう。また、今回の騒動を経て、CD Projektのマネジメントや品質管理体制、労働環境について更に厳しい目が向けられるようになったのは確かである。現時点ではCD Projektの信頼は大きく失われている状態だが、今後の本作への向き合い方を通じて、その信頼を取り戻す日が来ることを願っている。

『サイバーパンク2077』(フォトモード使用。Xbox Series Xにて撮影)
『サイバーパンク2077』(フォトモード使用。Xbox Series Xにて撮影)

■ノイ村
92年生まれ。普段は一般企業に務めつつ、主に海外のポップ/ダンスミュージックについてnoteやSNSで発信中。 シーン全体を俯瞰する視点などが評価され、2019年よりライターとしての活動を開始
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Twitter : @neu_mura



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