任天堂・宮本茂氏『スーパー・ニンテンドー・ワールド』世界展開を明言 海外メディアにはゲーム哲学を語る

任天堂・宮本氏『スーパー・ニンテンドー・ワールド』世界展開へ

 ユニバーサル・スタジオ・ジャパンで2021年2月4日オープン予定の『スーパー・ニンテンドー・ワールド』の公式ツアー動画が公開された。この動画でツアーガイド役を務めた任天堂代表取締役フェローでスーパーマリオの生みの親でもある宮本茂氏は、今後の展望も語った。さらに、海外メディアのロングインタビューにも応じ、同氏のゲーム哲学を明らかにした。

ハリウッド、オーランド、シンガポールにも建造計画が

 任天堂は19日、『スーパー・ニンテンドー・ワールド』のツアー動画と関連ニュース記事を公開した(下の動画参照)。動画を見ればわかるように、オープン予定の同テーマパークには、まさにスーパーマリオのゲームステージが現実のものになったような光景が広がっている。

YouTube「スーパー・ニンテンドー・ワールド™ Direct」

 同テーマパークにはスーパーマリオをモチーフとしたアクティビティが体験できるほか、よりゲーム的に演出されたインタラクティブな体験もできる。具体的には、腕時計型のガジェッド「パワーアップバンド」を購入して装着すると、テーマパーク内に隠された秘密を探したり、敵キャラクターからカギを手に入れる「パワーアップバンド・キーチャレンジ」に挑戦したりできる。

「パワーアップバンド」
「パワーアップバンド」

 もちろんギフトショップやレストランも併設されている。レストランでは、キノコをテーマにした料理を食べられる。

 ツアー動画の終盤(12分50秒頃)では、同テーマパークの世界展開について言及されている。任天堂は、同テーマパークをアメリカ・ロサンゼルスのハリウッド、アメリカ・フロリダ州のオーランド、そしてシンガポールに展開する予定なのだ。オープン時期については明言されていないが、「少し時間を頂ければ」という表現を使っているので、来年中にはオープンすると予想される。

新作モバイルゲーム開発も進行中

 スーパー・ニンテンドー・ワールドのツアー動画が公開された直後の20日、アメリカの総合文化誌『ザ・ニューヨーカー』電子版は宮本氏にロングインタビューした記事を公開した。同記事は、京都在住の同氏とZoomを介して行われた。インタビューの内容は多岐におよんでいるが、同氏の最近の仕事と普段の仕事ぶりが紹介されている。

 前述のツアー動画からわかるように、同氏は現在スーパー・ニンテンドー・ワールドの最後の仕上げに取り組んでいる。そのほかにも新作モバイルゲームの制作にも関わっており、自宅で簡単にテストプレイができるので、週末にプレイして週明けの月曜日には新作ゲームで試したり探索したりしたい事項のリストが完成するという(任天堂ニュース専門メディア『MY NINTENDO NEWS』は、この新作モバイルゲームはゼルダシリーズのものではないか、と推測している)。

「自分のことをどのような上司だと思っているか」という質問に対しては、部外者には「いい人」と思われているようだが、実際のゲーム開発現場では開発メンバーの仕事ぶりをいつも批評していると思われているだろう、と答えた。

「上司としての長所と短所は何か」という質問については、ゲームに関する夢やビジョンを語れると同時にプロジェクトの細部に気を配れること、と語っている。そして、細部に気を配っている時はネガティブな人間に、夢やビジョンを語っている時はポジティブな人間のように感じられるだろう、とも話した。

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