『今日好き 星空編』最終話ーーれおんが選ぶのはかこ?まりあ? 最後の告白で決断したそれぞれの“旅の終着点”

 続いて、このんがよしきに告白。告白の言葉は「さっきは恥ずかしくて目を見て話せなかったので、頑張って目を見て気持ちを伝えたいと思います。この旅でよしきくんに出会えてすごくすごく幸せでした」「私の高校生活で最初で最後の彼氏になってください。よろしくお願いします!」というもの。最後まで、感謝の心を忘れないこのんだ。

 だが、よしきの口からは「ごめんなさい」の一言が。彼曰く「自分のなかで好きになることができなくて、自分のキモチに正直になった時に、“お願いします”ってこの中途半端なキモチで言うのは違うなって」と、悲しくも正しい理由があったのだ。さらに、このんから2日目にプレゼントされたブレスレットも返却し、「また2人とも、いい恋を見つけられるように頑張ろうね」と、今後も良き友だちでいようと約束を交わした。

 最終的にこのんは振られる形となったが、2人の表情には何よりも清々しさがあった。よしきは当初こそ、この旅に参加する意義に思い悩んでいたが、このんがその心に温かい光を灯したことで、彼を迷いから救い、この旅に参加する前よりも優しい人にしてくれたのではないか。結果以上に大切なやりとりが、この2人の告白にはあったと思う。

 最後の男子は、はると(中野晴仁)。告白するのは、彼を想うあまり、時に空回りしてしまったるな(黒咲月)と、常に積極的な姿勢を示してきたるか(早河るか)。まずは、るかが「今からはるとくんへの想いを伝えます。好き、好き、好き……」と、好きの言葉を10回にわたり指折りに数えると、「大好きです!私を選んでくれたら、毎日笑顔にします。さっき交換した貝殻に想いを書いたので、もしOKだったら受け取ってください」と告白。こんなにかわいい声で、こんなにかわいい告白をされたらたまったもんじゃない。

 続いて、るなは「人生でいちばん思い出に残ったんじゃないかなってくらい、心の中にはるとへのキモチも詰まっています」「この3日間、嬉しいこともあったんだけど、ずっと悔し涙しか流してこなくて。だからもし付き合えたら、次ははるとと一緒にうれし涙を流したいな」「誰よりもはるとのことが大好きです、よろしくお願いします!」と、悔しい場面をバネにした自分なりの言葉で、しっかりと想いを伝えきった。

 そんな告白を受けて、腰に手を当てて明らかに思い悩むはると。なんでも、この瞬間までどちらを選ぶかを悩み続けてきたそうだが、最後に出した答えは「中途半端なキモチで付き合っちゃうと申し訳なくて……。どっちもいいところいっぱいあるから、本当に。やっぱり、俺には2泊3日じゃ決められなくて、本当にごめんなさい。ごめんなさい!」という、この旅のルールの範疇では“決めきれない”というものだった。

 そこまで思い詰めた彼に対して、るかは「もし、はるとくんがよかったら、次の旅に継続(メンバー)で来てほしいなって思います」「もっともっとたくさん話して、次は完全に好きになってもらえるように頑張ります。考えておいてほしいです」と、未来へと希望を託す。かつて『夏空編』で、ふうた(酒寄楓太)がみらい(横田未来)に提案したのと同じ方法で、3人の想いを次の旅へと繋いだのだ。

 この後、るかは貝殻に記した「ずっと隣で笑っていてください」というメッセージを見つめ、るなははるとに迷惑をかけてしまったと振り返る。そして「俺は最低……最低な、最低な奴です」と、自分を責め続けるはると。三者三様な想いを最後まで映しながら、『星空編』は幕を閉じた。彼らの恋が満足いく結末を迎えることを祈りながら、まずは、れおん×まりあのカップルに、たくさんの幸せが末長く降り注いでくれることを願うばかりだ。

■一条皓太
出版社に勤務する週末フリーライター。ポテンシャルと経歴だけは東京でも数少ないシティボーイ。声優さんの楽曲とヒップホップが好きです。Twitter:@kota_ichijo

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