中田敦彦×宮迫博之のYouTube番組『WinWinWiiin』に見る、テレビ黄金期への挑戦と憧れ 制作に至るまでの経緯を追う
オリエンタルラジオ・中田敦彦と雨上がり決死隊・宮迫博之がMCを務めるYouTube番組『WinWinWiiin』(ウィンウィンウィーン)が11月21日、それぞれの公式チャンネルにて公開された。
同番組は、宮迫と中田によるトークバラエティで、初回のゲストには手越祐也が登場。中田が教育系YouTuberらしくスクリーンボードを使って手越の魅力を分析したかと思えば、一方の宮迫は『アメトーーク!』(テレビ朝日系)さながらにゲストの話を深堀り。豪華な座組みと作り込まれたセット、プロの撮影と編集は地上波の番組と遜色なく、YouTubeとテレビの融合を意図したような内容になっていた。キー局もYouTubeに動画をアップすることが当たり前になったが、YouTubeをメインに展開する番組として、類を見ないものになっている。
この話が表立って動き出したのは、8月18日に公開された、宮迫と中田のコラボ動画でのことだった。酒を酌み交わしながら雑談をしていた2人だったが、宴もたけなわというタイミングで、中田が突然PCを開いてプレゼンを開始。これまで宮迫のYouTubeチャンネルで取り組んだ企画を網羅的に列挙したうえで、「このチャンネルにたった一つ欠けているのは『アメトーーク!』」と言い切ったのだ。
宮迫は常々テレビ復帰への願望を口にしており、「復帰後の初仕事は『アメトーーク!』がいい」とも公言している。もちろん、そんな先輩の想いを知らない中田ではない。
しかし、宮迫がテレビ復帰すれば、現状ほぼ毎日更新されているYouTubeの更新頻度は確実に下がる。そのことを、今や約120万人のチャンネル登録者を抱える「宮迫ですッ!」のファンが好意的に受け入れてくれる可能性は低い。こうしたビジョンの先にある“YouTuber宮迫の破綻”を中田は鋭く指摘したうえで、「宮迫さんは『アメトーーク!』に戻りたいのか。超えたいのか」とズバリ問いかけた。
痛いところを突かれたといった表情で「おい……(笑)」と苦笑いする宮迫。その後、中田の「これからYouTubeを頑張りたい人を応援する番組を作りたい」という熱意に押されて、「『アメトーーク!』という名目は言えないけど、別のトーク番組だったらやりたい」とタッグを組むことを決意したのだった。
では、中田がここまでして宮迫と手を組むことにこだわったのは何故だろうか。その理由は11月12日、サブチャンネル「中田敦彦のトーク- NAKATA TALKS」へ投稿された「宮迫さんとコラボした本当の理由!」と題した動画で語られている。
ある時、中田がお笑い芸人の集まる飲み会に参加したところ、「宮迫とコラボしたらクビらしい」という噂を耳にしたという。「それを聞いた瞬間、すっごい嫌だなと思って。誰が言い出したのかわからないけど、そういう空気をみんなで怖がって、それに対して怯えているのが、僕の中で芸人じゃなかった」と、中田は振り返る。この噂を耳にしてすぐに、中田は宮迫へコラボの打診をしたらしい。